土岐麻子

WEEKEND SHUFFLE

WEEKEND SHUFFLE

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Debut

Debut

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TSUTAYAで衝動的に借りてきて、けっこうはまっている。
知っている人にとっちゃ何をいまさらだろうけど、ある種知る人ぞ知るみたいな感じの女性ボーカルの人。ジャズ、ボサノバ、ポップスなんでもありだけど、基本はセンスの良いポップス、しかもルックス含めて何から何まで癒しの人っていう感じである。ホンワカ透明系のボーカル、なんていうのだろう、(大貫妙子古内東子)÷矢野顕子みたいな感じかな。そこにあんまりブルージーな方向に走っていない吉田美奈子的エッセンス注入みたいなところか。
この人のことを最初に知ったのいつ頃だろう、4年くらい前になるのだろうか。最初に買ったipodシャッフルで遊びはじめたときに、iTunes storeで無料配信されていた「Debut」というハイテンポな曲。妙に糸を引くというか、けっこうはまったというか、そこそこ気に入ってずっとipodでいれてある。二代目というか車載機にしてしまったミニにも、今現在使用しているipod nanoにも入れてある。ipodに入れてある曲は、ずっと入れっぱなしのベーシックな曲も沢山あるけど、基本入れては消しの繰り返しだから、4年近くずっと生き残っているというのは、けっこう気に入っているということなのだろう。
今回借りてきたのは2枚。「Weekend shuffle」と「Debut」の2枚。「Weekend shuffle」はカバーアルバムだけど、私の愛聴しているチューンが揃っている。
まあこんな感じである。

<収録曲>
1.君に、胸キュン。
2.夢で逢えたら
3.Down Town
4.Take Me Out To The Ballgame
5.土曜日の恋人
6.夏の思い出
7.September
8.Sunday morning

いい趣味しているな〜。YMO吉田美奈子、達郎、古いミュージカル・ナンバーを挟んでまた達郎である。ケツメイシにアース・ウィンド・ファイア、ラストを飾るのはジャズ・ナンバーぽいけど、実は比較的新しいアメリカのポップ・ロック系バンドマルーン5のもの。
最初の2曲はいかにもホンワカポップス系のアレンジだし、「Down Town」はあえてモータウン調。「土曜日の恋人」と「September」はボサノバ。ケツメイシの「夏の思い出」は思いきりブルージーなジャズ・チューンに仕上げている。最後の「Sunday Morning」が一番原曲に近いアレンジかな
なんとなく「Take me out to the ballgame」がなんか浮いている感じもしないでもないのだが、よく聴いているとスローなアレンジで歌うこの曲がある種、このアルバムの中で異質のエッセンスみたいな感じでよく利いているようにも思えてくる。なんかとても良いのである。
なんとも良い趣味しているじゃないか土岐麻子という感じだ。ネットでいつものようにググってみる。
TOKI ASAKO OFFICIAL WEBSITE
土岐麻子 - Wikipedia
早稲田の1文出ているんだ、才媛なわけだん。1997年から2004年までシンバルズなるロック・バンドで活躍していたとか。もう10年以上のキャリアがあるわけだ。早速、シンバルズもいろいろ調べてみる。こういうときユーチューブ使うと簡単に映像やら音楽やらが見つかるから有難い。

ふーん、オシャレ系ポップバンドだね。続けて彼女のバイオグラフィーを読んでいくと、父親がサックス奏者土岐英史とある。土岐英史って、あの土岐英史?って、わからねよ、それじゃ。私が知っている土岐英史はというと、一にも二にも山下達郎のバックバンドにいた土岐英史である。70年代から80年代にかけての達郎の様々なアルバムやライブでバックでおもにアルトをふいていたのが彼である。達郎のライブ盤「Joy」で1981年の六本木Pit-innでの「DANCER」で長いソロをとっているのもこの人である。「Joy」の中でもバンドのメンバー紹介のときに達郎が「サックス、ときえいじ」と言っているのが録音されている。
基本フュージョン系だけどきれいな音色のサックスを吹く人だったと記憶をしている。その人の娘が歌手やっていて、すでに30代で、とても趣味の良いナンバーを心地よく歌い上げてくれている。時代は巡るというべきだろうか、単純に聞く側の我々も確実に年をとってしまったんだなと、なんかしみじみしてしまうではないか。
土岐麻子はポップスからジャズナンバー、ボサノバとなんでもOKだ。簡単そうに歌っているけど、テクニックとかもしっかりしている人だと思う。スタンダードもうまくこなしていそうだ。いわれてみれば以前、テレビでかかっていた「ワルツ・フォー・デビー」のボーカル曲、たしか車のCMだったと思うが、それもこの人だったと思う。バイオグラフィーによれば、かなりのCMをこなしているようだ。でも確実にいえるのは、例えばこのアルバムでいえば一番すんなりと歌っているのは実はマルーン5の「Sunday morning」じゃないかなと思う。ノリノリのジャージーなナンバーだからか。いや違う、同時代的でマルーン5が希求しているものと同質なものを土岐麻子が持っているからじゃないかなと思う。それは古いナンバーの再解釈みたいな感じかな。メタテキストとしてのジャズとかポップナンバーみたいなイメージ。あんまり伝わらないと思うが、なんとなくそんな風に思っている。