ジョン・アップダイク死去

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ジョン・アップダイク - Wikipedia
76歳、まあ普通に人生全うしたということなんだろうな。この人の本は何冊か買ったけど、きちんと読んだのってなんだろう。例のウサギシリーズの第一作「走れウサギ」くらいだろうか。でもほとんど筋すら覚えていないのだよ。なんていうのだろう、ろくに読んでもいないのに現代アメリカ文学的教養というか、ようはスノッブ気取りためによく話に出てきた作家の一人だ。こういうのは例えばバース、ピンチョン、ロス、サリンジャーまあそんな感じよ。それぞれみんなけっこう著作を買ったのだよ。でもねバース、ピンチョンはほとんど数十ページで討ち死にっていう感じ。だいたい「重力の虹」なんぞは歯が立たなかったような気がする。バースの「酔いどれ草の仲買人」とかも持っていたけどついぞ読まなかったな。あれは国書刊行会とかから出ていなかったけ、いや集英社だったか。けっこう高かったんだよな。
ロスはけっこう読んだよ。「さよならコロンバス」とか「素晴らしきアメリカ野球」とか。でもよく考えると「コロンバス」以外はあんまり面白くなかった。サリンジャーは、まああれは一種の麻疹みたいなもの。「ライ麦畑」とか「ナイン・ストーリー」とか。シーモアー・グラスがどうのこうの。サリンジャーはある意味太宰みたいなもので、若者が一種通過儀礼的に読む青春小説のようなものなんだと思うな。
現代アメリカ文学というと、私の場合は一にも二にもヴォネガットだけ。彼だけはほとんど全著作を読んでいる。その彼も2年前に亡くなっているし、結局その時点で私のアメリカ文学との関係性みたいなものは途切れてしまったようにも思う。
しかし今回ちょこちょこぐぐってみると、ロスもバースもピンチョンも存命であることを発見して、少しだけ嬉しいような気もした。さらにだ永遠の隠遁者であるサリンジャーの死もまだまだ確認されていないようだ。でも彼の場合はへたするとすでに50年くらい前に死んでたりするかもしれないけど。
そうなるとまだまだ我々はアメリカ文学の巨匠たちの訃報に接することがあるということなんだな。とりあえず、アップダイクさん。あなたの人生に神のお恵みあれ。