2007.1.3(水)ユニクロでの顛末

午後2時過ぎに妻と娘と私、妻の母、兄の系5名で病院に見舞いに行く。車で出発して10分足らずで妻がトイレに行きたいと言い出す。こういう時はたいていの場合、けっこう深刻なことが多いので、すぐに一番近そうなトイレはと考え、道路沿いにあるユニクロの駐車場に車を止めた。
たぶん相当きているのだろうと思い妻を歩かせずに車椅子に乗せて店内のトイレに向かった。この店には身障者用のトイレも設置されていたけれど使用中だったので、妻は普通のトイレに入った。それから外で待ったり、少し店内をうろうろしたりしていたのだが妻はなかなかトイレから出てこない。やな予感的中かなとも思い、着替えを物色したりした。
10分過ぎくらいに妻は出てきたので、間に合わなかったのかと聞くと、妻は「少しだけ」と答える。後ろをチェックすると穿いていたGパンのところどころが汚れている。それで妻を身障者用のトイレに連れていき(今度はあいていた)、Gパン脱がしてみると下着は広範囲に変色している。妻の言うことには、「ずいぶん拭いたんだけど」。それでもう一度、妻の入っていたトイレをチェックしにいくと、床とか便座は本当に綺麗に拭いてあった。これに時間をかけたんだなと思った。
それから車に戻り妻の母親を呼んだ。出来れば同性だし手伝ってもらえれば、あるいは妻に後の始末とかをメインでやってもらえればみたいな気持ちもあったのだが、70を越えていること、こういう場所でどうしていいのかわからない部分もあるのだろう、全然戦力になってはくれなかった。それでも一応、「見ててください」と頼んでから、もう一度店内に行き、下着とフリース地のルームウェアパンツを購入してトイレに戻る。妻の母親は私が戻ると入れ替わりみたいに「後、頼むね」と車に戻ってしまった。
それから汚れた衣類をすべて脱がせ、濡らしたタオルでよく拭いてやり新しい衣類に着替えさせる。汚れた衣類はさすがにここに放置するわけにはいかないので、買う時に余分にもらっておいたユニクロの袋に入れた。そんな作業をしている最中にも母親はまたやってきて「そろそろいいかい」みたいなことを言う。たぶん長男からなにか言われたのだろう。「もう少しです」と答えて作業を続ける。けっこう孤立無援だなとも思った。
それから車に戻り、一度家に戻って妻をシャワーで綺麗にしてあげる。もう一度病院へ出発できたのは4時をけっこう回った時間だった。
今回の教訓、結局こういうことはいつか起きるだろう、いつか経験するべきことだということ。またこれからも多分、あり得るだろうということ。妻のトイレについていえば、けっこう安定している。それでも多分この時は、前日とかも久々の実家で兄弟たちと久々顔を合わせて、ビールとかワインとかも口にしている。そういう影響もあるのだろう。とはいえ、たまの飲酒、それも少しだけ量が過ぎたのを咎めることはできまい。
これまでのケース同様、妻の場合、たいていトイレまではなんとか我慢が持続する。トイレに入ってからいざズボンを脱ぐ等のところでということなのだが、やはり片麻痺であるから手早くズボンや下着を下ろしてということにはいかないのだろう。そういう意味では障碍をもってしまった妻には今後も起こりえることと考えていた方がいいのだろうとつくづく思った。そしてそそうをすることで妻の人格を否定するような物言いは絶対しちゃあかんのだろうとも思った。そう思いつつも、こっちも焦っているからいろいろ言ってしまう部分もあるにはるのだけれど。
しかし障害者の皆さん、あるいは家族はこの辺の部分をどう処理されているのだろうと思う。片麻痺の人はもちろん、手足のいずれの障害にしろ、けっこうトイレ問題って絶対あるんじゃないだろうかと思うのだが。それとこれは妻にも言い聞かせているのだが、もう一頑張りできないものかなということ。トイレに間に合った。あともう少し我慢して衣類を脱いで便座に座る。健常な大人はたいていそういう我慢ができるのだから、もう一我慢できるようにして欲しいと。ただこれについても根拠があるのかないのかわからないけれど、妻のように脳の右側の三分の二、さらに前頭葉頭頂葉とかを梗塞でやられているのだから、その一頑張りが利かないということもあるのかもしれないということだ。自律神経とかそっち方面のような気もしないではないけれど、いかんせん脳のことだ。何かしら影響することだってあるような気もする。
でも出来れば妻にも改善してもらいたい部分でもある。もうこちらとしては慣れた部分もあるにはあるけれど。しかし、偶然とはいえユニクロのトイレに飛び込んだ選択はけっこう良かったな。たまたまトイレが広かったこと。容易に着替えを手に入れることができたことなどなど。次にこういう機会があったらやっぱりユニクロとかシマムラとかに飛び込むのがベターなのかなとも思ったよ。
最後にトイレは入念にチェックした。汚れた部分はきちんと拭いておいたし、少なくとも後から入ってきた人が不快になるようなことは多分ないようにした。