カラパナを聴く

カラパナ(2) 学生の頃にたった2曲だけはまりにはまって聴いていた。「愛しのジュリエット」とインスト曲「ワイキキの熱い砂」の2曲。これがほとんど総てともいえる、ハワイのお気楽フュージョンAORバンドだ。そのお気に入りの2曲が収録された多分彼等のアルバムで最も売れた、傑作とされるアルバムである。発売されたのは1976年、30年前のことだ。もともとこの2曲だって、たぶんFM放送かなにかで流れていたのをエアチェックしたものだと思う。それがマイフェヴァリット・シィングスの一つであり続けてきたんだから笑えます。
今回、お気に入りとはいえこの2曲を通して聴くのはおそらく十数年ぶりのことだ。アルバムを通して聴くのは二十〜○○年ぶりかもしれないな。で、あいも変らずの心地良さを覚えた。「ワイキキ〜」=「BLACK SAND」の早引きギターはほんと、「これこれっ」ていう感じだ。そういえば加山雄三のインスト曲でも「BLACK SAND BEACH」という名曲がある。このシングル盤もっていたっけな。サーフ・スポットであるこの地が、いろいろとインスパイアさせるものがあるのだろうなどと想像する。
そして「愛しのジュリエット」=「JULIETTE」。ボサノバ基調でアコースティックで、男性コーラスによるハーモニー。典型的なAORなんだけど、ある意味では私の王道ストライク・ゾーンだ。マイナーからサビでの転調するところなんかが、単純に素晴らしいと思う。この曲山下達郎あたりがやっても良かったんじゃないかなとも思う。
’70年代、カラパナのブレイクからサーフ・ロックという言葉が生まれたとか。それで少しだけ考えてみた。’70年代から’80年代にかけて青春送ったような人、ようするに自分と同世代からするとサーフ・ミュージックといえば実はカラパナに代表されるような音楽なのかもしれないなと。自分が大学生の頃って、いわゆる丘サーファー全盛の頃。サーファールックなど、サーフィン文化が日常に取り込まれた頃だ。そういう意味ではカラパナって、同世代的にはビーチ・ボーイズなんかより身近な存在だったのかなとも思う。とはいえ、自分にとってはやっぱりサーフ・ミュージックの王道はビーチ・ボーイズなんだけども。
くぐったら以下のサイトにカラパナのことが詳しく書いてあった。なんかまだそれらしき活動があるようなことも。中心人物の一人マッケイ・フェアリーがドラッグ中毒でドメスティック・バイオレンスによる投獄、獄中自殺という、なんかミュージシャンとしてはとてもありきたりな悲劇もあったりしたらしい。バンドにも歴史があるのだな。
http://rock.princess.cc/rock-2/kalapana.html