東京セサミプレイス

 この三連休はやたらと寒かった。山間部は雪だそうだが、とにかくこの地埼玉も寒い。もう少し暖かく、沼田周辺がピーカンならせっかくの連休だからスキーとでも思ったのだが、結局なにもせず家にとじこもりがち。昨日は比較的ましだったので、家庭サービス、もとい、子どもへのサービスのつもりで行楽。東京セサミプレイスへ行く。本当は同じ東京サマーランドの敷地内に新しくできたムツゴロウ動物王国へとも思ったのだが、小学一年生の娘は前に一度いったことのある東京セサミを選んだ。
 車の中で娘に「動物とムツゴロウというジーサン観にいくのと、エルモとどっちが良い」と聞くとエルモが良いという。動物といっても馬、犬とかがメインだから、こっちとしてはまあ子どもが喜ぶならどっちでも良くなったから、半分からかいながら「動物王国にしようよ。犬とか馬もいるし、あとジーサンがいるからさあ」「え〜、ジーサンはいいよ」
 これがだんだんエスカレートして、
「なあジーサン観に行こうよ。園内にジジィがたくさんいるところだからさあ」と話を大きくする。でも、園内にジジィがうようよしているテーマ・パークって、どんなところだ。で娘はというと、
「絶対にいかない!」
 しかし動物王国って、いつもムツゴロウがうろついているのかな。なんか誰かの書いた記事で、ここの最大のアトラクションはムツゴロウってあったような気がするけど。
 で、東京セサミ。ほんと狭い場所に、公園の遊具をちょっと大掛かりにしたようなものがある以外は時々、エルモやビッグバードとかの着ぐるみが園内うろついているだけ。いったいなにが楽しいんだろうとも思うが、子どもはけっこうハイになって遊んでいる。未就学児童や小学校低学年くらいだと楽しめるんだろうね、遊具が。
 ただ、親の立場としていえば、ここは入場料と駐車代以外、ほとんど金がかからないから、それでいて子どもが汗だくで楽しんでくれれば、楽といえば楽。園内でビールとかも売っているし、もちろん持ち込みも自由だから、コンビニでおにぎりとかビール、つまみとかを買っていけば、子どもはかってに遊んでいて、親はビール飲みながらぼーっとしていることができる。もっとも昨日は寒かったから、さすがに外でビールということはなかったけど。
 前回来た時、たぶん子どもが3〜4歳だったと思うけど、その時もトイレのことでおもらしがあったような気がするが、昨日もあった。小学生なのに。子どもの心理状態としては、とにかく遊ぶことに夢中だから、生理現象もなんか後回しというか、気もそぞろみたいなことがあるんだろう。ふと、急に思い出したのか「トイレ」というからとりあえず場所を教えつつつきあうと、行く間もスキップしつつ、で、ころぶ。ついた手が痛いといいながら、半べそ状態の娘をとにかくトイレ行ってこいとうながし、女子トイレの前で待っていると、すぐに子どもの泣き声。なんだころんでうった部分が痛いのかと思いつつも、入ったのが女子トイレなので中に入れずにいたら、ちょうど出てきた他のおかあさん風の女性が、「お父さんですか、なんか個室の中で泣いてますよ」と話しかけてきた。
「入ってもいいですか」と一応女子トイレなので遠慮しながら中を見回すと、一番入り口近い個室の中で娘の泣き声がするので開けてみるといた、娘が。ズボン、パンツを下ろした状態で便器のわきに立って泣いているのと、便器のまわりに小水のあとがあるので間に合わなかったのかと思い聞いてみると、彼女はただ「気づかなかった、気づかなかった」と泣きわめくだけ。で、よくよく聞いてみると、なんでも便器のふたがしまっているのに気がつかずにそのまま腰を下ろしてことにおよんでしまったらしいのだが。
「おまえはあほか!」とあきれつつ、おこりつつ、とにかくおまたと足とかにかかった小水をふいてやると、娘はもうほんとパニック状態で、
「気づかなかった、気づかなかった」を繰り返す。
「おいおい、普通気づくだろう」と思いながら、とにかく女子トイレであるからあまり長居もできないし、とりあえずパンツ、ズボンをはかせてみる。パンツはかなり濡れているけど、ズホンはそれほどでもない。ズボンの上にさらに巻きスカートみたいのをつけているんだが、こちらは大丈夫みたいだった。
 トイレを出てから後は母親にまかせようと、「とにかくお前はママのとこへ行け」と促し、こちらは売店に直行。たぶんこういう未就学児童が中心顧客のパークだから、必需品だろうと思って探してみると、グッズやキャラクターのついた衣類はあるけど、なかなかお目当てのパンツが見つからない。しょうがなく店員さんに聞くとすぐに場所を教えてくれた。サイズは130だがあるかな〜、とあさってみると、やっぱり90だの110だのが中心。でも、あった130が。
 で、荷物を置いてきた休憩スペースにいくと見当たらないので、もう一度トイレに引き返して遠慮がちに子どもの名前を呼ぶと、子どもがにこにこしながらでてきた。ズボンを脱いで、素足にスカートという姿。たぶんパンツははいていないのだろう。で、「ほれ、パンツ」というと、「うん、ありがとう」といってまた母親のところにいった。
 その後はパンツも履き替えて快適になったのか、素足にスカートでなにもなかったように遊具で遊んでいましたね。この立ち直りの早さがわが子のとりえでもある。
 子どもがいると、ほんといろんなことが起きるよ。でもしみじみ思うよ、
「普通、気がつくだろう。蓋してあるの」

http://www.sesameplace.co.jp/index.php