東武ワールドスクェアとゴシック建築のことなど

 東武ワールドスクウェアに行ったのは1月4日のことだ。その前に鬼怒川盾岩大吊り橋に寄ってそれから近くで昼食をとってから行ったんだったっけか。

 ここにはもう数えきれないくらいに来てる。日光のただやたらと高いアミューズメント施設の中では割とクオリティ高いのではないかと思っている。入場料2800円をどう思うか。1/25スケールのミニチュアによる世界の有名建築、世界遺産のミニチュアパーク。いつも思うことだが、建築マニアには垂涎的な施設なのかなと思ったり。

 展示物には時々妙なしかけが施されていたりする。今回もコロッセオはなぜか『ローマの休日』の撮影風景になっていたりする。

 

 

 

 ヘプバーンとペックがペスパのバイク二人乗りだったり。

 

 今回の割と興味深く見たのは尖塔が燃え落ちたノートルダム寺院とか。別に失われたものを惜しむ的なことではない。それをいうとワールド・トレード・センター首里城もということだけど、そういうのではなくて。

 ここ1~2年、西洋美術をちょこちょこ学んでいると出てくるのですよね、ゴシックとかロマネスクやオーダーや柱頭の様式などなど。あのからみでとくにゴシック建築とかそのへんが気になったり。

 ゴシック建築の特徴というとだいたい以下の三つがあげられるみたい。

① 尖塔アーチ
② 交差リブヴォールト
③ フライング・バットレス(飛び梁)

 このへんを解説した本やサイトいろいろあるけど、一番わかりやすかったのはこのあたりか。

(閲覧:2024年1月13日)

 ただしもともとヴォールトってなによというか、今ひとつ理解できないところがある。ヴォールト、日本語的には穹窿とかって訳されるけど、ますます判らなくなる。弧を描いたアーチ型あるいはトンネル型天井。

 

 これを開口部をとれるようにヴォールトを直角に交差させるのが交差ヴォールトになるとか。

 

 そして交差部にリブを設けるリブヴォールトがゴシック建築の特徴となる。これを交差ヴォールトというわけだ。

 

 

 このリブの部分が柱に直結しているので、天井の重さをすべて柱で支えることになり、柱が頑丈だったり、柱の本数を増やせば壁は薄くても問題はなくなる。それにより大きな窓を設けることができるようになっていく。そう大聖堂のステンドグラスのでかい窓とかが可能になるということらしい。

 しかし今更ながらだけど、半円アーチとかを石積みやレンガ積みでどうやって作るのかといえば、あれはもうアーチ型工法の基本というか、迫石(楔形もしくは台形の石)を重ねていき頂点に要石を積んでいくというもの。アーチ橋とかの工法だ。

 それを高い足場を組み、石を釣り上げて一つずつ組んでいく、なんか途方もない作業を延々と続けていくのだと思うと、気の遠くなるような。こういう感じだったのでしょう。木枠を組まないと積んだ石は落ちてしまうだろう。そして交差リブヴォールトを組んだら、その後でさらに天井となる石も積むわけだ。

 

 

 さらにリブヴォールトをささえる柱をさらに外から梁によってささえる。そうすることで建物は上へ上へと上昇していく。尖塔が次々と作られていく。これがフライング・バットレスということになる。

 

 

 さらにいえばゴシック建築はフランスよりはイギリスやドイツに伝播したなんていうことも読んだこともあるし、ロマネスク建築の教会が田舎というか山岳地帯など人のいないところ建てられたのに対してゴシック建築は町の中に建てられたとも。よくロマネスク=田舎の建築、ゴシック=都会の建築なんていう覚え方もあった。

 

 てなことをおさらいしながら東武ワールドスクウェアを回ると、あれもゴシック、これもゴシックみたいな感じもする。なにごとも興味のあるところから入るのは基本だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 実際に行くことはどうも残り少ない人生では叶わないだろうし、とりあえず1/25スケールでも眺めてなんとなくこんな感じかなと思ったり。交差リブヴォールトとかは内部に入らないと判らないだろうけど、まあこれはいろいろと書籍や画像を見て確認するしかないか。

 歴史的建築物はとりあえず有名だからと漫然として観光するのもいいけど、ある程度予備知識をもって見学すると多分違った見方とかもできるのだろう。まあこれは西洋建築じゃなくても当然そうだし、国内の木造建築でも見物ではなく見学になり、そして鑑賞と変わっていくのかもしれないなと思ったりもする。

 

 まあそんなことをつらつら思いつつも、結局のところ物見遊山的にミニチュアを見つつ、アジアならワンチャン行けるかもしれないかなどと思ったり、国内でも行ってないとこへ思いをはせてみたりしている。