(閲覧:2024年1月10日)
皇帝フランツ・ベッケンバウアーが死んだ。ヨハン・クライフとのスーパースター対決だった1974年のワールドカップ西ドイツ大会決勝。あの試合は深夜ライブで放映された。それをいまだに覚えている。けっしてベストなゲームではなかった。現代サッカーのようにタイトではなかったし、中盤までは割と自由にボールがもてる。そして後半、オランダは得意なパスサッカーではなく、中盤後方からの放りこみに終始していた。そして前線に張り付いたクライフはことごとく競り勝った。でもオランダには中でゴールを決めるストライカーがいなかった。
そしてベッケンバウアーはどこまでもベッケンバウアーだった。華麗なプレー、得意のチップキック。リベロポジションというが、あの試合では4バックの真ん中をシュワルツェンベックとともにこなしていた。センターバックでありながら起点となり、最後尾からゲームを作っていた。中に入ってきたボールを跳ね返す、そういう泥臭いプレーもベッケンバウアーだとなんとなくセンスあるプレーのように思えた。読みもするどいが、ヘッドもけっこう強かったし、華奢な雰囲気だが当たり負けもしなかった。
1974年W杯決勝西ドイツVSオランダ - トムジィの日常雑記
ベッケンバウアーを知ったのはいつだったか。1966年のイングランド大会、20歳で西ドイツ代表となったときの彼のことはほとんど覚えていない。1970年のメキシコ大会はなんとなく覚えている。66年の雪辱戦となったイングランドとの準々決勝はたしか2点リードのなかで反撃の1点をあげたのが彼だったか。この頃はオフェンシブなMFだったはずだ。そして準決勝のイタリア戦、肩を脱臼したが交代メンバーを使い切っていたので、テーピングして試合を続けたこととか。多分、あとになってからダイヤモンドサッカーで見たのかもしれない。
自分の世代だとペレはかなり上で全盛期を全く知らない。そしてクライフ、ベッケンバウアーは団塊世代、まさにアイドルでもあった。去年の始めにその前年暮れに亡くなったペレについて少し書いたときにかってのスタープレイヤーの年齢とかを調べたことがあった。2022年はマラドーナとペレが亡くなった年だ。さらに調べるとグラボウスキーも亡くなっていたか。それを再褐してみる。
ペレ 1940-2022 82歳没
リベリーノ 1946- 77歳
クライフ 1947-2016 68歳没
ベッケンバウアー 1945-2024 78歳没
ゲルト・ミュラー 1945-2021 75歳没
プラティニ 1955- 69歳
ジーコ 1953- 71歳
ケビン・キーガン 1951- 73歳
リネカー 1960- 64歳
ソクラテス 1954-2011 57歳没
ファルカン 1953- 71歳
ルンメニゲ 1955- 69歳
マラドーナ 1960-2020 60歳没
マテウス 1961- 63歳
フリット 1962- 62歳
ライカールト 1962 62歳
※存命者は今年中に迎える年齢
ペレも逝き、クライフも逝き、マラドーナも逝き、そしてベッケンバウアーが逝った。かって胸をときめかしたスーパースターが奇跡に入った。20世紀は遠くなりにけりということか。
最後に1974年の西ドイツ大会のベッケンバウアーの雄姿をYouTubeで見つけたので貼っておこう。ご冥福をお祈りします。
(閲覧:2024年1月10日)