日誌的ななにか12月ー③

12月22日(金)

 友人と飲み会。比較的よく会う同じ年の友人。多分、会うのは今年最後になる。

 数年前からポトラッチ的にプレゼントを交換したりする。いい年してこういうのどうなんだろうと思いつつもなんとなく惰性で。金額はあまり言いたくない、書きたくないがたいてい負ける。向こうはまだ仕事しているからまあいいか。

 今年は自分がラコステの手袋、向こうがブルックスブラザースのシャツ。大敗北。なんか毎年レートが上がっている気がする。どこかで降りないと。とりあえず美味いもの食って、美味い酒飲んだくれて、バカ話して。来年も二人とも元気でいられればいいとだけ。

12月23日(土)

 テレビや新聞でさかんに上皇の誕生日だと。ということは亡くなった兄の誕生日ということ。3年前にまもなく誕生日だというのに急逝した。昔から兄の誕生日は、皇太子と同じとか、天皇と同じとか、そういう言われ方をしてきた。そして今は上皇と同じ日という。

 有名人と同じ誕生日、命日ということで記憶される日というのがある。12月ということでいえば12月8日はジョン・レノンの命日だし、自分の生まれた6月18日はポール・マッカートニーと同じ誕生日ということのように。まあいいか。

 土日は妻のデイサービスが休みなのできちんと昼飯を作る。朝飯はというと毎朝、なにか訳のわからぬオートミールに野菜をのせたものを一人で作って食べている。本人的にはダイエット食だということなのだが、どうにも量が多いような。低カロリーでも量多ければ一緒だろうと内心思っているが、それは言わないことにしている。

 昼食を食べたあと、妻は当然のようにお出かけモードだが、それを制して自分は部屋の掃除をする。4LDKの狭小住宅なので本気を出せば多分30分かそこらで終わるはずなのだが、いつもはダラダラとしているのでけっこう1〜2時間かかったりする。今回は割とテキパキやったほうだ。

 夕方、妻と一緒に散歩に出る。そのまま隣町に行ってちょっとした買い物をする。今回は目的買いでタカハシでジーンズ用の安いバンドを買う。ゴムが縫い込まれていて伸縮するもので一つ600円。これを2本買う。まあこんなものでいいのだよ普段使いはと、自分に言い聞かせるようにしてここ1〜2年はこのバンドを使っている。以前、イオンで2000円前後で買って重宝していたのだが、タカハシではハンネ以下だ。貧乏人にはちょうどいい。

 買い物の後、夕食を家で作って食べるのも難儀だなと、日高屋に妻と入って二人でグダグダと。生を2杯ずつ、おつまみを数品、さらにかた焼きそばと天津麺、都合で3870円也。日高屋は庶民というか、まあ貧乏人の味方というところだ。

 そういえば21日にも妻と二人で外食している。その日はサイゼリヤに行き、やっぱり生を数杯飲んでしこたま食べて。こっちは4150円也。

 

 去年から使ったもののレシートをノートに貼り、さらにパソコンに入力するようにしている。ある種の生活記録。家計簿というようなものではないし、現金出納帳の類でもない。レシートは現金払い、カード、スマホ決済など多種だ。なので現金だけの管理ではない。まあまあ記録すれば、少しは無駄遣いの抑制になるのではないかと、そんなことでやっている。

 たまに期限を区切って使った額を集計する。使っているソフトは桐というデーターベースソフト。28くらいから使っているから、かれこれ40年近くになる。こういう話になると、全部、遠い目になってしまう。データベースソフトなので期限を区切ったりも簡単だし、行集計はシフト+ファンクションの◯番で一発だ。1年とかでやると軽く三桁を越す金額になって、どうにも死にたくなってしまう。

 話は戻るが、妻とのたまの外食はサイゼリヤ日高屋というのが定番になりつつある。そこにたまにバーミヤンが加わるかどうか。ささやかな庶民の贅沢が、最安値のファミリーレストランというのがどうにもこうにも。

 6時過ぎだったので席はけっこう空いていたので4人掛けの席に座った。周りもみるとなぜか4人の席に一人で座っている老人がいる。年齢的には60〜70代くらい。多分自分と同じか、ひょっとしたら少し下かもしれない。見ると中生、餃子ともう一品おつまみでのんびりやっている。しかし店はどんどんと混んでいく。サラリーマン、学生、ちょっと食事&生を一杯みたいな労働者、おばさんたちなどなど。

 そうなると4人掛けに一人というのがちょっとなという感じなのだが、そのオジイさんは泰然としてスマホならぬ、ガラケーを見ながら飲んでいる。

 入口のところでは学生風の3人連れが席が空くのを待っている。でもしばらく待っているうちにどこかへ行ってしまた。その後、30代から40代くらいの仕事帰りの女性が来る。しかたなく、自分たちは隣の席に置いてあったコート類を寄せて席を開けてあげる。それでもオジイさんはそのままだ。

 空気が読めないオジイさんだなと思いつつも、ひょっとしたらこの人は日高屋でのんびり酒を飲み、暖をとりながら時間を過ごしているのかもしれないとか、少しだけ無駄な想像をしてしまった。きっと一人暮らしなのかもしれない。家もアパート暮らしで、帰っても寒い部屋で。そういう独居老人のイメージはまんま3年前に亡くなった兄のそれと重なってしまう。兄は自分が提供した3DKの団地に住んでいたが、独居であることには変わりない。そして兄もいつもガラケーのメールとかをよく読んでいた。

 そんなことを思いつつも、自分がこの日高屋のシチュエーションだったら、そもそも一人で4人掛けテーブルには座らないだろうし、もし空いていたのでそこに座ったとしても、混んできたらそうそうに飲み食いを終わらせて出ていくか、一人掛けのカウンターに移動することを申し出たのではないか。

 昔、ショットバーの作法みたいなことで、一人飲みはすっと席を立つのがマナーみたいな話を読んだことがあった。それをどれだけスマートに出来るかどうかみたいな話だったような。

 空気の読めないオジイさん、自分的にはこうなんていうのだろう、なりたくない老人のイメージというかタイプというか、そういうものの中になる。まもなく70代になるだろう、自分はできれば空気を読んで、つつましやかに生きていたいと、そんなことを思わないでもない。

12月24日(日)

 クリスマスイブらしい。なんだか年の瀬の忙しなさみたいな部分の実感があまりない。前夜というか明け方までヤクザドラマをずっと観ていた。『日本統一』というかってのVシネマの系統にあるようなやつ。主役の演技も大根だし、ドラマの設定、展開も月並み、なのに糸を引くというか、見始めるとけっこう延々観てしまう。11月の中頃から見始めて、現在シリーズ21まできたが、最新作は50いくつとか。先は長い。

 昼食の後、前日に掃除も済ませているので車で高麗川の遊歩道へ行くことにする。

ここのところ雨が少ないせいか高麗川の水は少ない。上流の方は河岸工事をしていたり、水量を調整したりもあるのだろう、ビオトープ付近はほとんど干上がっていて、一部水溜まりが残っているだけ。去年もこんな感じだったので、川だった部分を歩いたりもできる。多分、春先まではずっとこんなだろう。

 

 

 ビオトープの木々もたいてい枯れている。その中で小さな実をつけているものを見つけた。近くに行ってみると気の名前が書いた札がついている。せんだんだそうな。

 

 「せんだん」ってなにかことわざとかあったな。「せんだは・・・・・・かんばし」みたいな。どうしても思い出せないのでスマホで調べることにする。便利な世の中である。

栴檀は双葉より芳し」

香木に使われる栴檀は、芽生えたときからすでに芳しい香りを放っている。 のちに大人物になるような人間は、子供のときから人並み優れた素質を見せることをいう。

 ふ~んそんなんだったか。あの栴檀がこの木で、こういう実をつけるのか。この歳になって学習しているやつって感じだ。妻にそのことを話してみると、聞いたことがないとも。まあいいか。

 いつものように若宮橋を渡ってから坂戸方面に歩いてまた戻る。日も暮れ始める。万年橋の上から河岸工事中の川を見下ろすと、久々にシラサギを見る。大きさからするとダイサギだろうか。暗くなり始めているのに一生懸命エサを探している様子。鳥目という言葉もあるけど、エサ探せるのかなどと思ったり。

 

 その後はいつものように買い物に行く。クリスマス、妻がステーキが食べたいというので、自分の分は一番安い薄っぺらなやつ。妻はそれよりもだいぶ高いのを買う。それからスパークリングワインも安いやつをひとつ。一応カヴァだというので外れはないかなどと思ったり。

 さてとケーキをどうするか。一番近いケーキ屋は駅の近くの不二家、車だとシャトレーゼだ。時間は7時少し過ぎたところ。どうせ混んでいるだろうと、隣町というか日高のシャトレーゼに行くことにした。ここは割と空いているし、最寄りのシャトレーゼでケーキ類が品薄でも、ここまで足を伸ばすと意外とあったりもする。以前、子どもの誕生日ケーキとかでそういう経験が。

 車だと20分くらいの距離。行ってみるとまあまあ混んでいる。ケーキのショーケースを除くと、クリスマスケーキと一部のケーキ類が50%オフとなっている。ラッキーである。ということで3千なにがしのクリスマスケーキを半額でゲット。他にいくつかお菓子類を買っても3千円以下である。なにかとても大満足している。

 「お父さん、すごく嬉しそう」と妻に言われて我に返る。なんかこうしみじみ庶民だなと思ったりもするが、まあいいか。