智光山こども動物園 (12月26日)

 日曜日、妻がまたどこぞへ行きたいという。暮れも押し迫っているし、出来ればあまり遠出もしたくない。比較的近い美術館とかも公立系はけっこう休館に入ったところもある。出来るだけ近場でと思い、特に目的もなく日高から狭山の方に向かって車を走らせていて、なんとなく見覚えのある景色が見えてきた。智光山公園である。

 ここには小さな動物園があり、子どもが小さかった頃、妻が病気になる前に何度か来たことがある。当時、ふじみ野に住んでいて、近場の動物園というと高坂の子ども自然動物園かここ智光山かということでよく来た。狭山から日高あたりだと曼殊沙華で有名な巾着田にも行った。あそこは暖かい時期だと、子どもに水遊びさせるのにちょうど良かった。

智光山公園 こども動物園 | 智光山公園 | 公益財団法人埼玉県公園緑地協会

 懐かしい動物園だ。そしてとても小さな動物園だ。就学前の子どもだとちょうど良い広さ、規模だと思うけど、多分小学高学年になると物足りない、そういうところだ。ここに来ると、子どもは喜んで走り回っていた。ふれあい広場ではモルモットやうさぎを抱いて、大人しそうにしていた。今でもそのときの光景が目に浮かぶ。そしてもう20年が経過している。

 子どもが小学校に入り、妻が病気になってからしばらくは動物園とか足が遠のいた。妻がリハビリを頑張ったせいか、多少の歩行と車椅子で、どこにでも出かけられるようになると、それまでの出不精が一転してお出かけ大好きになった。動物園、テーマパーク、いろいろなところに行くことになった。でも、共稼ぎで子育てをしている頃は、お互い忙しかったせいもあり、土日に近場のところへ行く、そういう慎ましいというか、大人しい家族だったなと思う。

 暮れも押し迫った動物園は日曜日だというのに驚くほど人が少ない。もっとも3時過ぎで、閉園まで1時間と少しみたいな時間だったことももちろんあるにはある。小さな子どもを連れた家族が数組、中学生の男女6人のグループが一組。女の子が二人、男の子が4人。それぞれに意中の子とかいるんだろうなと微笑ましく思ったりした。そんな中に車椅子に乗った妻と自分、まあ普通に老夫婦である。寂れた小さな動物園の淋しい景色としてはけっこうあっているかもしれないなとか思った。

 動物園というと、自分にとっては横浜野毛山の動物園が一番思い入れがある。あの動物園も街中にあったが、規模はまあ狭山のこの動物園よりはだいぶん大きい。あそこは子どもの頃は父親によく連れていってもらった。思春期の頃は時々一人でいったりもした。高校受験に失敗したときも確かあそこで一日ぼーっとしていた。一人で来ている中学生の子ども、周囲にはどんな風に映ったんだろうね。まあこじらせた子どもということだったのか。

 動物園は自分の中ではある種逃避できるような場所。親になってからは子どもを遊ばせる、あるいは家族団欒の象徴みたいな場所だったか。

 今は、妻と二人でなんとなくゆったりと時間を過ごす場所、そういう感じだろうか。

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 なぜか柚子湯のカピバラ

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人懐っこいロバ

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かわうそ
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たぬき