脂漏性角化症と冷凍凝固法

 脂漏性角化症と冷凍凝固法。

 「しろうせいかっかしょう」と「れいとうぎょうこほう」。

 画数多いしなかなかインパクトがある言葉。

 先週の金曜日に医師から診断され処置したもの。

 

 「しろうせいかっかしょう」ですねと言われても、イメージできませんでした。記号論的にいえば、シニフィアン的にイメージできない。もちろん意味内容も。

 まあ、結論からいえば「いぼ」、それも「老人性のいぼ」とその処置法でした。

 ちょっこと見苦しい、まあ老人特有のばっちい話なので、気が引けるのだけど、基本この雑記は自分にとって生活綴り方みたいなもので、ある種の記録的な面もあるので、できるだけ客観的に描く。

 

 生活綴り方といえば、そういえば無著成恭先生が亡くなりましたね。子ども電話相談室のイメージが強いけど、もともと学校の先生。『やまびこ学校』は彼が行った生活綴り方運動の実践記録だったか。ご冥福を祈ります。

 

 話を戻そう。

 ここのところ右目の下あたりの隆起がちょっと気になっていた。以前からなんとなくあるのは知ってたけど、まあどうせ老人性の「いぼ」の類、加齢だから仕方ないと思ってた。ただ、ここ二週間くらいか、心なし大きくなっているようにも感じてた。

 それだけなら、「そういうものだ」とスルーするのだが、なんとなく隆起の大きさを感じるのと比例して顔の半分がちょっとこわばるような気もしてた。なので一度、皮膚科に行ってみるか思ったりもしてた。

 歳のせいか、こういう「いぼ」や「しみ」の類は身体中にある。還暦をとっくに過ぎているんだからこれは致し方ない。以前、定期的に通っている泌尿器科の医院が皮膚科もやってるので、わきの下にある大き目のホクロを見せたら、「あ~、それは老人性のイボ。ほっといても大丈夫だけど、とりたい」と言われ、「ああ、いいです」と小声で答えた。

 この医者、大学病院で教授やセンター長やってた人なので、腕はいいんだけどなんとなくつっけんどんというか。しかも年齢は同い年。なんかキャリアがあって為年っていうと、どこか気後れする部分があったり。

 今回は都内のいつも通っている健保の診療所。ふだんは内科や歯科に行っているのだけど、ここにも皮膚科があるので行ってみようかと。でも「老人性のいぼ」って一言でかたずけられたら、まあそれはそれでいいか。

 ただし皮膚の病気というと、やっぱり最悪想定というか、悪性の腫瘍だったらとかそういうこともあるので、多少恥ずかしさがあっても一応は診てもらった方が安心という気もある。

 

 診療所に着いたのは3時半くらい。午後の診療所はずいぶんと空いている。まあここに通うのは現役の人が6割、自分のようにリタイア組が4割くらいだと思う。現役組もちょっと午前中に通院みたいなのが多いだろうし、リタイア組は朝早くから動くので、午前中はけっこう混んでいる。でも午後遅くとなると閑散としている。ちなみに診察時間は4時15分まで。

 さほど待たされることなく皮膚科の診察室に。30代くらいの男性医師から「どうしましたか」と。それで顔の隆起物について説明すると拡大鏡みたいので診てくれる。

「これはいぼ、老人性のいぼですね」

 やっぱり・・・・・・。

「正式には脂漏性角化症といいます」

「しろうせいかっかしょう・・・・・・」

「そのままでも問題ないですけど、取りますか」と医師。

「え、簡単に取れるんですか」

「はい、冷凍凝固法といって、液体窒素で凍らせます。だいたい一月くらいでかさぶたになってとれます」

 見ると医師の前にはスプレー缶がある。これってけっこうな頻度で治療があるので机の上に置いてあるのだろうか。まあ簡単そうなのでお願いした。

 スプレーされるとちょっとした違和感がある。時間をおいてからもう一回スプレーして終了。そのときちょっと痛みがあったけど、微かに感じる程度。

 ついでなのでわきの下のホクロ状の隆起物もみてもらうと、これも同じ症状だというので、スプレー噴射してもらう。ついでにもう一か所あるようでそこにも。

 次回の通院について聞くと、「一ヶ月くらいでかさぶたがとれるはずですが、何かあれば来て下さい」と。

「問題なければ次回来なくてもいいのですか」

「はい、大丈夫です」

 なにか拍子抜けするような感じで診察室を後にする。会計はというと健保は1割5分負担なので500円くらいでした。

 

 家に帰ってから脂漏性角化症についてネットで調べるといろいろと検索できます。たいていは皮膚科クリニックの宣伝で、だいたいが保険適用外の手術やレーザーによる除去だと12000円~くらいだったろうか。男性患者で顔中のシミやイボの除去で30万とかいう例も出てたり。

 いちおう今回の冷凍凝固法も紹介されていて、だいたい700円くらいとなっている。ただし冷凍凝固法は一度ではきちんと取れないとか跡が残るとかの説明も。多分、こういう説明して保険外治療が勧められるわけだ。

 まあ多少跡が残っても別にジイさんなのでかまわない。もし今回の処置でとれなければ、またどこかで行けばいいかとそんな感じだ。

 

 とりあえず今はというと、顔のイボはそれまで肌色に近かったのが完全に黒っぽい大きなホクロと化している。じょじょにカサブタになっていくんでしょうね。

 

 以上、「しろうせいかっかしょう」と「れいとうぎょうこほう」についてでした。