野良ウサギ発見 (6月4日)

 地域ネタである。

 久々、浅羽のビオトープに行き、高麗川遊歩道を散歩する。

 2月、3月は毎週のようにここで妻の車椅子を押して散歩していたのだが、暖かくなるにつれてなんとなく足が遠のいた。最後に行ったのは4月の上旬か中旬あたりだったか。

 遊歩道の一部には桜並木もあるのだが、今年はどこでもそうだけど桜の開花が早い。記憶ではもう葉桜になりかけていた。

 菜の花のほうがかなり遅くまで花を咲かせていたので、一面菜の花みたいな景色を堪能したのだが。どうもGW前後からはまったく足が遠のいた感じ。まあ曖昧な記憶だから、覚えていないだけで何度か行っているかもしれない。

 

 春先は雨が少なかったので高麗川もほとんど干上がっていたし、ビオトープ内の支流というか小川も水はまったくなかった。それが二、三日前の大雨のせいか、川の水は水量が多い。干上がって石ころだらけの川底が延々続く景色ばかり見ていたので、悠々と流れる川の流れというのもなかなかのものだ。

 浅くてほとんど流れのないような川にはいつも白サギがいたのだが、今日はどこにも見かけない。大雨で流された。まさか、飛べるのだからそれはないか。そろそろ繁殖期かなにかで木の上とかに巣でも作って子作り、子育ての真っ最中なのか。

 

 こういう時期になると遊歩道も両側の雑草が鬱蒼としてきて、道幅を狭めるくらいに増殖するのだけど、今回歩いた限りでは遊歩道の両側の雑草類はみんな狩ってあった。多分、つい最近、手が入ったのだろうか。こういう草刈りはボランティアの方とかがやっているのか、あるいは自治体から委託を受けた近隣農家の方とかがやっているのか。遊歩道はかなりの距離があるので、その両脇の草刈りはけっこう大変だと思う。おそらくエンジン式の仮払機を使うのだろう。ありがたいことだとは思う。

 

 ビオトープ周辺や川の対岸の鬱蒼とした雑木林には動植物がかなりいるようだ。ビオトープにはあちこちに「○ムシ注意」の看板も出ている。「○ムシ」以外にもかなりのニョロさんがいそうだが、高麗川遊歩道では一度もお目にかかったことがない。ただし見つける可能性もあるので、それが足が遠のいた理由の一つかもしれない。

 思えば、ニョロさんを最後に見たのは2年くらい前、東京都千代田区のど真ん中、東御苑だったか。しかしニョロ嫌いは歳と共に加速してきているような気がする。子どもの頃は全然平気だったのにね。とりあえずこの話題は終了。

 

 野鳥類はよく見るし鳴き声も聞く。ただしバードウォッチング系はまったく関心もないので、鳥は小さいの、中ぐらいの、大きいのみたいな区別しかできない。判別できるのは、雀、烏、鳩、サギ、キジくらいか。今回はサギをまったく見なかったけど、キジは見た。以前にもつがいで遊歩道の上を雑木林の方に向かって飛んでいるのとか、あのきたない鳴き声響かせて飛ぶのとかは見たことがある。

 今回も雑木林の片隅のひらけた空き地に一匹、ひたすらエサを探しているのを見つけた。遊歩道のある土手の上から少し近づいて写真を撮ろうとしたのだが、すぐに雑木林の中に消えてしまった。

 

 いつも散歩コースの折り返し地点にしている砂防ダムのあたりまで来てから引き返す。少し戻ると、向こうの方で遊歩道から男性が雑木林の手前あたりにスマホを向けている。遠目だけどその方向にはなにか動物らしきものがいる。野良ネコかなにかかと思ったのだが、なんとなく耳が長いような。

 近づいてみるとウサギがいた。それもどうみても野良ウサギである。

 

 人が飼っていたウサギが逃げて野生化したものか。なんとなく茶色の毛といい、どうもニホンノウサギのようだ。いるんだね。少し近くまで来てズームにして写真を撮ったのだが、次の瞬間にはピョンピョンと飛んで行ってしまった。

 

 

 川の両側の雑木林はほとんど人の手が入っていないけど、ところどこに畑もある。多分、このノウサギも農家の方からすれば害獣なのかもしれないな。場合によっては駆除されて、ピーター・ラビットのお父さんのようにパイにされてしまうのかもしれない。そのほかでも、イタチとか天敵になるのだろうか。ノウサギにとって高麗川遊歩道周辺は比較的住みやすい、生きていきやすいところなのか。それともけっこうシビアなところなのか。

 しかし田舎とはいえば田舎だね。遊歩道に散歩に来て野良ウサギに遭遇するのだから。まあこのへんがディープ埼玉のディープたるところといえるのかもしれないけど。