ポーラ美術館常設展~雑記 (3月30日)

 ポーラ美術館の常設展やミニ企画展について少しだけ。

丸山直文「水を蹴る-仙石原-」

 1回のミニ企画展示コーナー、アトリウム・ギャラリーで丸山直文の「水を蹴るー仙石原-」という小企画が。丸山直文は東近美で《Garden1》を観て以来、なんとなく気に入っている作家。湿らせた綿布にアクリル絵具を染み込ませたステイニングの技法を用いて、初期には抽象絵画を、1990年頃から風景などの具象画を描いている。ソフトでぼやけたような鮮やかな色彩とスタティックな雰囲気がある。

 自分的には暗めのイケムラレイコ、明るい丸山直文と適当に同じ括りにしている。

 会期は2023年1月28日~7月2日まで。

 

 

 

ユトリロ

《ラ・ベル・ガブリエル》 モーリス・ユトリロ 1912年 油彩/厚紙

 画面左で壁に落書きしているのはユトリロ自身。右側の緑のお店は居酒屋「ラ・ベル・ガブリエル」(美しきガブリエル)で、ユトリロはこの店に入り浸っていたいて、店の女将に夢中になっていたのだとか。10代でアルコール中毒となっていたユトリロは、多分この店でも泥酔を繰り返していたのだろう。ひょっとしたら酔ってこうやって家の壁に落書きをするというのも画家の日常茶飯であったのかもしれない。

 

 この落書きの文字もどこかデザイン化された意匠のようである。ユトリロに影響を受けた佐伯祐三も多分この絵をかの地で観たのだろうか。

モディリアニ《ルネ》

《ルネ》 モディリアニ  1917年 油彩・カンヴァス

 モディリアニが描いたリンゴ・スターキー・・・・・・、ではない。

 おかっぱ頭にネクタイだがモデルはれっきとした女性、当時画学生だったルネ・グロ。彼女は、モディリアニとも親交のあったエコール・ド・パリのスター画家、モイーズ・キスリングと結婚している。

 そういえばモディリアニは、キスリングの肖像画も描いているが、その風貌もおかっぱ頭だったような。さらにいえば同じ時期にパリで活躍し寵児となった藤田嗣治もおかっぱ頭。エコール・ド・パリの芸術家たちの間で流行っていたヘアスタイルなのだろうか、とかまあどうでもいいことを思っている。

デルヴォー

《トンゲレンの娘たち》 ポール・デルヴォー 1962年 

 どの絵を観ても不思議な、それでいてどこか惹きつけられる。不思議な魅力ある作品が多い。この絵は多分初めて観るかもしれない。1962年作と比較的新しい作品と思い、ちょっと調べるとデルヴォーは1897年生で1994年に97歳で没している。20世紀の最後まで生きた、ある意味同時代の作家であったか。

色気より食い気

 

 カミさんのリクエストで小休止。意味のないイメージショット的。まあ凡人なので結局は色気(アート)よりも食い気ということになる。

シン・ジャパニーズ・ペインティング

 ポーラ美術館の次回企画展のチラシをゲット。久々の日本画の企画展のようだ。そういえばポーラの日本画は久しく観ていない。最近は展示室5で名品がいくつか展示されることがあるが、記憶にあるのは岡田三郎助《あやめの衣》くらいか。杉山寧や加山又造の名品も以前観たことがあるし、チラシを観ると川端龍子もある。また現代作家の作品も多数あるようで、多分けっこう尖がった企画になるのかもしれない。

 期間は7月15日から12月3日まで。