墓参りに行く (3月16日)

 お彼岸も近く、土日も混むだろうと思い、少し早いが墓参りに行った。

 うちはいつも始動が遅く、たいてい午後になってから行くことが多い。圏央道を使えば1時間足らずということもある。3時過ぎにふらっと出かけるみたいな感じだ。

 今回は午前中に家を出た。まあとはいっても11時過ぎくらいだったけど。インターチェンジ近くのホームセンターで花と線香を買ってから高速にはいった。花と線香はうちの墓と親戚の墓の二軒分である。

 父の墓を建てた数年後に、すぐ近くに親戚が墓を建てた。多分偶然だったのだろうけど、そういうこともあるのかと思ったりもした。もっともほとんど交流のない疎遠な親戚ではあった。

 祖母が亡くなった同じ年に兄の姉にあたる人がその墓に入った。偶然といえば偶然、因縁といえば因縁かもしれない。まああまり深くは考えない。交流がないとはいえ、墓参りに行くときは二軒分の花や線香を用意する。先方でも同じことをしているようで、久しぶりに墓参りに行くと、枯れかけた花が供えてあったりしたこともある。

 今回の墓参りは兄が死んだ月の12月に来た時以来だ。うちの墓にも先方の墓にも花もない。まあ普通に考えれば週末か今度のお彼岸の日ということになるか。

 普通なら12時前後に墓に着くはずだったのだが、圏央道八王子ジャンクション辺りで事故があったようで、青梅あたりから断続的に渋滞。ナビの案内のままに一度あきる野で降りて下道を走り、八王子で中央道に入ってまた圏央道にという回り道をした。なので墓に着いたのはなんかんだで1時半近くになった。

 墓は週末からの混雑に対応するためか、墓に続く傾斜道の両サイドにカラーコーンが置いてあり、駐車できないようになっている。この時期は混雑するので、車は下の駐車場に置いて坂道を上っていくか、道路の間の芝生に止めることになっている。

 この時期、休日に行くのを避けるのはこのせいでもある。道路の間の中央の芝生は限られた台数しか置けないし、もしそこに置けなければ下になる。お彼岸の日はそれすら朝早くでないといっぱいになるかもしれない。妻の車椅子のことを考えると、下の駐車場から傾斜道を押していくのもかなりしんどい。多分、それだけで墓参りを断念するかもしれない。

 16日はウィークデイということもあり、あまり混んでいなかったので、墓に割と近い中央の芝生に車を止めることができた。もっともそこからでも車椅子を押して墓まではそこそこ大変。芝生の上を車椅子押すというのもけっこう難儀である。そして一人でいろんなことをしなくてはならない。

 まず妻を墓の前まで連れて行く。それから車に戻って花や線香を持ってくる。次に花を供えるため、近くの水場で桶に水を汲み墓に戻る。さらに水場から少し降りたところにある備え付けの点火器へ行き線香に火をつける。一人で何度も行ったり来たり。まあ今に始まったことではないが、ずっとこういうことをしてきたし、多分これからもそうなんだろう。

 そして二つの墓に花を供え線香をあげる。手を合わせて近況を報告し、家族の健康を見守って欲しいと願う。それから自分のところ墓に水をかけて、彫った文字のあたりを持ってきた歯ブラシを使って汚れをおとしたり。

 滞在時間は小1時間くらいだったか。天気も良く、久々散歩も兼ねて墓巡りでもしようかと思ったが、この公園墓地は山の傾斜地に作られている。妻を連れてだと諸々難儀する。そしてなによりも花粉がきつい時期なので、早々に墓を後にすることにした。