お彼岸は混むので、少し早いが墓参りに行くことにする。
家を出たのは11時過ぎ。妻はお出かけ気分なのでどこかで昼食をとることにする。妻のリクエストで我が家的にはちょっと奮発してお洒落なカフェ風のところを探す。ネットで調べて津久井湖畔にあるカフェレストランがヒット。行ってみるとちょうど駐車場に1台分スペースがあったので入ってみる。基本イタメシのレストラン。自分は鶏肉料理、妻はペペロンチーノ。いつものように二人で取り分けて食す。サラダやちょっとしたデザートやコーヒーもついて二人で2500円くらいと割とお手軽。味も中の上くらいだったか。窓辺の席で遠くに津久井湖が見えた。
食べかけてから撮ったのであまり美味しそうでないけど。
墓についたのは2時近く。いつも正門の前から写真撮るとモニュメントの定点観測みたいになるのだが、今回は樹木剪定の業者のトラックが入っていた。多分お彼岸にあわせてもろもろ化粧直ししているのだろう。
いつものごとくに線香と花をあげてお参りしていると見知らぬ二人連れから声をかけられる。「ひょっとしてお線香あげてくれたのはそちらですか」と。
うちの墓と同じ列で4つくらい手前に父の姉の墓がある。複雑な事情で親戚とはいえないような間柄のまま月日が経ってしまったので、まったく行き来がない。偶然父の墓を作った半年後に先方の墓が出来きたのだと思う。そして祖母が亡くなった年に父の姉も鬼籍に入った。
父の姉とは子どもの頃にお会いしているはずなのだが、ほとんど記憶がない。小学校に上がる前のことだからこれは致し方ない。死んだ兄はもう少し記憶があるのかもしれない。もう自分には昔のことを語る相手もいないのだと改めて思ったりもする。もうそういうのには年を取り過ぎたのかもしれない。多くの方が亡くってしまったし。
墓参りに来たときは先方の分も線香と花をあげるようにしている。祖母が死んでからだから20年以上になるだろうか。そういう後を見ると訝しがることもあったかもしれない。まあこちらの墓にもそういう後があったこともある。
今回、お声がけしてくれたのは父の姉のお孫さんにあたる方でご夫婦でたまたま墓参りにいらっしゃったとのこと。少しだけお話をさせていただく。自分にとってははとこにあたることになる。
自分の方から申し出て連絡先などを交換したが、多分それでなにか交流が始まるとは思ってはいない、多分先方もそうだろうと思う。遠くに親戚筋の人がいる、そういう認識でいいのではないかと漠然と思っている。リタイアした世捨て人の厭世観みたいなものだろうか。
逆に考えると墓を作って35年かそこら経っている。一度も出会うこともなかったのが不思議なのかもしれない。まあ今回、そういうご縁があったのも偶然。そういうものだ。