宮ヶ瀬湖畔のイルミネーション

 墓参りの後はちょっとした観光をする。それがなんとなくパターン化している。一緒に来る妻としては、そっちがメインのようだ。不謹慎な部分もあるかもしれないが、しょせん生きているものにとっての墓参りなんてそんなものだ。昔、子どもが小さい頃は、弁当を作ってきてお墓の前で食べたりもした。墓参りの後は近くの公園などに行って、子どもを遊ばせたものだ。

 宮ヶ瀬湖畔の園地は墓から車で20分くらいで着くので寄ることが多い。妻が好きな吊り橋もある。身体が不自由なのになぜか吊り橋好きで、けっこうあちこち行っている。暖かい時期だと少し歩いたりもするが、たいていは車椅子だ。それでも楽しいようだ。

 宮ヶ瀬湖畔の水の郷大吊り橋は、全長315メートルで歩行者専用吊り橋としては国内でも五指に入るくらいだ。その吊り橋がクリスマス時期になるとイルミネーションでライトアップされるとは、最近のテレビで知った。調べると12月の時期に湖畔の園地も含めてイルミネーションが施されたイベントをクリスマスの25日までやっているという。さらにいえばもう30年以上も行われているのだとか。

 宮ヶ瀬ダムが出来たのはたしか2000年くらいで、その前後に湖畔園地ができたとするとちょっと計算にあわないような気もしないでもないが、ずいぶんと昔からやっているのだとは正直驚いた。

 墓を作ったのが36年前のことだし、もう数えきれないくらいに墓参りをしている。湖畔園地にも何度も来ているが、イルミネーションの話など聞いたことがない。もっとも20数年前に埼玉に越してきたこともあり、神奈川の情報には疎くなっているのだろう。

 テレビでその話題に触れた妻は、当然のごとく行きたい言う。ならば墓参りの後にと思った。25日で終わるとなると、土日は混むことは必須だろう。午前中は雨だが、午後には止むという天気予報。ウィークデイで雨上がりなら大丈夫だろうと思った。

 墓にはけっこう遅い時間に行ったので、現地に着いたのは5時少し前。いつもは湖畔園地の駐車場に行くのが、まず大吊橋の方にある駐車場に行ってみると続々と車が入って行く。駐車代は前払い1000円とのこと。係のおじさんに聞いてみると、「こっちはまだ空きがあるが、湖畔園地の駐車場は多分もういっぱい。3時くらいにはいっぱいになる」と言う。ウィークデイなのに・・・・・・。まあ、あとで聞いたことだが、吊り橋のイルミネーションは3年ぶりという。神奈川の民からすれば久々のイベント、観光名所復活みたいな感じなんだろうか。

 なのでそのまま駐車場に入れる。吊り橋は一方通行で、こちら側から入ることは出来ない。まずはなだらかな坂道を下って園地に入りそこから橋を渡るのだとか。ちなみにふだん橋の通行は無料だけど、イルミネーションのある夜は通行料350円とか。

 まずは車椅子を押して園地へ。途中左側の池では噴水もライトアップしている。最初、雨降ってきたのかと思ったのだが、噴水の水しぶきでした。

 

 そして吊り橋入り口の至近にあるのが30メートルはあるという大きなクリスマスツリー。

 

 さらにけやき広場を横切って階段を登った先にある商店街の裏側スペースがイルミネーションの会場となっている。

 けやき広場はところどころ芝生っぽいのだが、午前中降った雨でけっこうぬかるんでいて、車椅子を押して進むのがけっこう難儀。前輪を上げないとぜんぜん進まない。途中で何度か「お手伝いしましょうか」とお声がけされるもの、「大丈夫です」と答えて進む。階段の下まで来ると迂回するスロープがあり、そこを大回りしてやまなみセンターへ。そこにはエレベーターがあることは知っている。お年寄りやベビーカーの子ども連れ、あとはうちのような少数の車椅子組みが列を作っているが、さほどは待たない。

 やまなみセンターの上から見ると階段のイルミネーションはこんな風。さらにけやき広場から吊り橋の方を見渡す。

 

 

 そしてメイン会場。

 

 

 

 ウィークディの割にはやはり人は多い。駐車場もほぼ満車状態。ただし入れ替わりがあるので、さほど待たなくても入れるように見えた。ただし土日はこれは相当早くに来ないと駐車場入れないかもしれない。

 売店では串焼き、もつ煮や豚汁の類などで大盛況。ふだんのウィークデイの夕方はかなり閑散としていることを考えると、この賑わいはウソのような感じだ。

 とりあえず小腹も空いていたのでカレーパンなどを買って二人で食べた。それからまたやまなみセンターのエレベーターで下に降りる。今度はけやき広場のぬかるみを避けて舗装された遊歩道を歩いて池の方に回る。池の周辺は明かりがなくかなり暗い。

 そして通行料金を払い大吊橋を渡る。吊り橋は光のトンネルが延々続く感じで、これはかなり見事というか美しい。

 

 そして楽しいひとときも終了。吊り橋を渡り終わったところから最後の景色を。

 最近見たイルミネーションでいうと規模とか見応えという部分では、伊豆下田のぐらんぱる公園のグランイルミが一番かもしれない。イルミネーションで遠目だといいのだけど、近くに来ると割と疎ら感があったりする。グランイルミはこれでもか、これでもかというてんこ盛り感が半端なく、その分光への包まれ感がある。そのへんからすると宮ヶ瀬湖畔園地はちょっと疎らみたいな感じもしないでもない。まあここは広いから。

 そでも吊り橋も光のトンネルにするアイデアは素晴らしいと思うし、通行料払ってでも通る価値はあるとは思った。とはいえ来年もまた行くかと聞かれたら微妙。12月は多分毎年墓参りに行くけれど、その都度寄るかどうかはちょっと判らないか。