健康診断

 午前中、春日で健康診断を受けた。

 年に一度の成人病健診。去年は川越の病院で受けたのだが、今回そこに電話すると年内の受付は終了といわれる。それから健保が提携している医療機関にニ、三連絡してみるとどこも一杯でだいぶ先になるという。高齢化社会を実感するような感じである。

 今回受けた医療機関は、勤めていた会社が契約していたところで、毎年レントゲン車をしたててやってきた。食堂や会議室のある別棟で問診、心電図、眼圧測定、腹部エコーなどをやってもらった。だめもとで連絡すると、すぐに受けられるということでこの日になった。先方から検査キットと一緒に送られてきた書類が、勤めていた時の保険証の番号で印字してあったのはご愛敬。すぐに電話連絡をした。今は特退という身分なので。

 健診の時間は11時からで、前日の7時くらいに食事をとっただけ。空腹でしんどいかというとそうでもなく、それはそれで何か健康に問題があるのかもしれない。自分と同じように健診で来ている人は3~4人、なのでほとんど待つこともない。採血、聴力検査、眼底検査、心電図、腹部エコーとスムーズに流れていく。その後で胸部レントゲンと胃のバリウム検査。最後に医師の問診を受けて終了。

 ここのところ糖尿病や高脂血症、肝機能など、数値は少しずつ悪くなっている。加齢といってしまえば、それまでだ。医師からは食事制限などを勧められる。まだ問題となるまでの数値ではないですけど、気をつけてという言葉を何年もいただいている。そのようにしてここ10年とか15年とかの月日が流れている。

 仕事を辞めてまもなく2年。仕事をすることのストレスと仕事をしないことでのストレスを天秤にかければ、多分圧倒的に後者の方が軽い。とはいえ身体的には確実に老いが進行している。いやそうに違いない。こころで、思い切りどんでん返しのような宣告を受ける可能性もあるかもしれない。ある意味、これまでがうまく行っていたのかもしれないから。

 仕事を6度変えてもなんとかなった。普通であれば、キャリアの後半、60前後で収入は激減するはずだったが、自分の場合は一番最後が一番良かったかもしれない。キャリアの後半でうまい星の廻りにあったか。子どもも一人育て上げて社会に巣立った。特に借金もなく、わずかながら蓄えもある。健康かといわれれば、いやと答えるしかない。げんに成人病のオンパレードみたいに、毎日6~7錠の薬を飲んでいる。

 でもこれまでに一度も入院をしたこともない。骨折の類もたしか皆無だ。縫うほどの怪我は記憶の限りでは中学生の時に一回あるかないか。それを思うと、多分健康でこれたのだろう。今まではだ。

 なんとなく今回あたり、けっこうハードな結果が出るのではないかと、そんな予感がある。健康面でいえば、今までが良すぎたのかもしれない。その反動みたいなものが、いっきょにやってくる。そういう良くない思いが、強迫観念とまではいかないが、なんとなく頻繁に過る。最近は、あまり寝つきもよくないし、よく目が覚める。

 泌尿器科に通院すると、毎回、夜は何度小水に行くかと聞かれる。正直その頻度は少ない。尿意で目が覚めるというのではなく、とにかく目が覚める。仕方なくトイレに行くみたいな感じだろうか。

 寝るとよく夢をみる。子どもの頃のこと、勤めていた頃のことなどなど。死んだ家族もよく出てくる。悪夢とまではいかないが、なんでこんな夢を見るのだろうと思ったりもする。多分あまりよくない兆候かもしれない。少しずつ、壊れてきているのだ。

 健康診断の結果が判るのは多分二週間後くらい。今までどおりなら、いくつかの項目での再検査といわれ、それにそって診察や治療を受ける。深刻な問題があれば、それに沿って医師の診断を受けるのみだ。

 歳を取るというのはやっかいなことだ。