花の植え替え作業~なんちゃってガーデニング

 午前中、軽く庭仕事を行う。

 昨日、ホームセンターで花の植え替え用にと、安い花の苗を15~16くらい買ってきた。そう、毎年の恒例の花の植え替えだ。

 いちおう家にはネコだかネズミだかの額くらいの極小の庭がある。中古で買ったときには、前の持ち主がびっしりと化粧砂利を敷き詰めていたのだが、その一部を下に敷いてあるシートも剥がして花壇を作ったのは14年も前のことだ。

 それからというもの、毎年秋にはパンジービオラを植え、春になると日日草、ペチュニアナデシコなんかを植えるを繰り返してきた。春の植え替えはだいたいGWの頃だけど、この記録によれば去年は割と早くて4月10日に植え替えをしたことになっている。なので今年はそれからひと月遅れになるのか。

 作業はもう簡単しごくで、植えてある花を引っこ抜く。やや伸び切ったとはいえ一応まだ花をつけているパンジー類を引っこ抜くのは若干忍びない気持ちではあるけど、まあこれはもう仕方がない。それから肥料を撒いて土をほじくり返して耕すみたいなことをする。本当は肥料を撒いてから一週間程度寝かした方がいいということらしいのだが、あくまでなんちゃってガーデニングなのでそういう手間のかかることはしない。

 肥料を撒き終わったら再度土を耕して肥料と土をまぜる。それから買ってきた花の苗を花壇の前に置いてから一つずつ植えていく。本当はこんなんでいいのかどうか判らないけど、まあずっとこんな感じでやっているし、それでだいたいはうまく花咲いてくれるので、そういうものだと思っている。

 個人的には日日草やナデシコが好きなのだが、ここのところはペチュニア、ペコニアをメインに植えている。まあ安いからということもある。昨日ホームセンターで購入したのだけど、その手の花はひとつ98円、8つ以上購入すると88円になる。せっかくなのでバーベナと日日草を2つずつ買ったが、こちらは一つ158円である。全部で16買ってきたことになるのか。

 一通り植え付けて水を撒いて作業を終了させる。多分一時間もかかってないんじゃないかと思う。まさになんちゃってだ。

 しかしこんな風に花の植え替えもあと何度出来るのかどうかと、そんなことを思ったりもする。自分がどうにかなったら、多分そこで全部終わり。身体の不自由な妻は庭に降りることもできないし。子どもがこの家に戻ってくるかどうかも判らない。

 よく近所を妻の車椅子を押して散歩して歩く。すると一軒や二軒、庭が荒れ放題になっている家を見かける。中には家自体が廃屋となっているところもあるし、人は住んでいるけど庭にはまったく手が入っていないところもある。それらの家も、きっと昔は手をかけて草花を植えたり、木々の手入れとかもしていたんだろう。

 高齢化社会とかそういう言葉で軽く流してしまうけど、荒れた庭にもそれぞれそこに住んでいた人の生活があったのだと思う。きっと草花が咲き、それが人々の生活を彩る付加価値となっていたのだとも。

 我が家のなんちゃってガーデニングも、とりあえず小さいながらも庭があるから、みたいなことで、特に思い入れもなく続けている、ただそれだけのことだ。でも多分、身体が動くうちは毎年ずっと続けていくんじゃないかと思う。もうすでに世の中には忘れられた人間ではあるけど、多分、子どもくらいは、そういえば親は毎年庭の花とか植え替えたりとか、そういうことはやる人だったなと、時に思い出してくれるかもしれない。