豊田市立美術館は常設展も素晴らしいのだが、まず何よりもその建物が美しい。
設計は葛西臨海水族園、ニューヨーク近代美術館なども手掛けている谷口吉生。
展示室も白を基調にして美しくモダンアートが映える。
近代美術館収蔵の『GARDEN1』がけっこう気に入っていたのですぐに反応した。
木々の葉の間から水面を滑るボートを描いているようにも見えるが確かなものではない。この人の絵にはどことなく不確かさをそのまま写し取ったような趣がある。そしてアクリル絵の具独特の風合い。現代の画家の中では割と好きな人でもある。
常設展示では洋画の中村彝、岸田劉生など。日本画は大観、観山、春草など一通り揃っている感じである。
さらに小堀四郎の作品だけで一室を設けられていた。小堀四郎は初めて知る名前だが名古屋の出身。夫人は森鴎外の次女杏奴だという。小堀は96歳と長命だったが、80代になっても大作を制作している。ちょっと気になったこの作品も晩年のものである。