病院の待合

 兄の付き添いで病院に行く。大学の付属病院なので広い受付ロビーはいつも人がごった返している。兄予約は3時からなのだが、兄からは昼食取るとか諸々あるので早めに来て欲しいという。最初12時くらいに来てというがさすがに早いと思ったので1時少し前に行くことにする。

 昼食、何をするかと聞くとあまり食べれないというのでロードサイドの牛丼屋に入る。兄は確かに食が細く、ミニの牛丼を半分ちょっと食べておしまいという。ここ1~2年、病気のせいもあるのか、みるみる痩せてきて心配ではあるのだが、もう次から次への病気の連続なので、どこをどう心配してアドバイスしていいのかもわからない。

 今のところ、週3回の人工透析、三か月に1度投薬のためにだけに糖尿と高血圧で受診。ここのところは心臓にペースメーカーを入れたこと、今一番の問題である足の血行障害が一番緊急性のある問題。今は足の親指の切除くらいですんでいるが、今後病状が悪化すれば足の切断とかそういうことも考えなくてはいけない。

 今、兄を住まわせているのは団地の5階だが、ここでの生活もいずれ難しくなる。年金だけの収入の独居老人が入れる施設は限られているし、年齢や介護度からするとなかなか難しい。なんかいろいろなことが重なってくる。

 病院に着いたのは1時半過ぎで予約の時間までだいぶある。一緒に待合室にいても特に話すこともないし、病院の待合ってある意味もろもろ菌が充満しているところ。こっちも一応高齢者のはしくれだし、出来ればリスクを避けたいと思い兄とは別行動する。大きな病院なので2階にタリーズが入っている。そういえば同じ大学の別の病院に10年近く前にカミさんが検査入院をしたことがあったが、あそこにはスタバが入っていることを思い出した。

 タリーズではコーヒー飲みながら本を読んだり、スマホをいじっていたがそのうちに眠ってしまったみたい。4時近くになってからそろそろ受診も終わりかなと待合に戻ると、兄はまだ同じベンチに座って寝ている。起こして話を聞くと医師が診察の前に手術が入っていてそれがおしているのだとか。それで自分はまたタリーズに戻ってコーヒーのおかわり。以前取り寄せた老人保健施設のパンフレットを何通か持ってきていたので、その中身を確認したりして時間をつぶした。

 結局、兄の診察は予約した時間から2時間近く遅れ、実際の診察時間は10分程度で終わったみたいだ。でも病院着いたのは1時半過ぎだから4時間近くかかったことになる。まあ大学病院での受診なんてものはそんなものかもしれない。

 これから少しずつでも、兄が入れそうな施設を探すこと、それとは別に兄の収入(年金)で入れそうな低層の住宅を探すこと、そういうことに比重を置いていかなくてはいけなくなる。なにか仕事を辞めて楽になるかと思っていたのに、仕事とは別のハードな課題を突き付けられてしまった感じ。