THE BEST OF SWINGLE SINGERS

G線上のアリア~ベスト・オブ・

G線上のアリア~ベスト・オブ・

 

 これも懐かしいグループだ。アマゾンを周遊してるうちについポチってしまった。

 このベスト盤に収録のうちMJQと共演したものが数曲ある。アルバム「ヴァンドーム広場」だっただろうか。これを自分はかなり早い段階で聴いてる。多分、小学生の頃だと思う。これもまたジャズを聴いていた兄がもっていた33回転のコンパクト盤だったように思う。

 クラシックとジャズの融合みたいな感じで、兄が講釈しながらかけてくれたんだと思うが、「G線上のアリア」「ヴァンドーム」はよく覚えている。ジャズと男女混成コーラスの親和性みたいなものに割と敏感に反応するのは、多分このへんの影響からだと思う。あとでシンガーズ・アンリミテッドを聴いた時にも、スウィングル・シンガーズをよりピュアにした感じみたいにとらえていた。

 今、改めて聴くとMJQとコラボ曲では、ジョン・ルイスのクラシック趣味、ヨーロピアン志向が少々鼻につくかなという部分もあるにはある。ややもすればアーシーで重いトーンのミルト・ジャクソンのヴァイヴがかくも室内楽風になっているのも驚きかもしれない。ミルト・ジャクソンの技術の高さとともにアレンジのジョン・ルイス風がすみずみまで活かされているということだろうか。

 スウィングル・シンガーズはクラシック曲をジャズ風、室内楽風にスキャットで歌い上げる一つのスタイルを確立した稀有なグループである。メンバーを代えながら1962年から1973年までフランスを拠点に第一期の活動があり、さらにイギリスに拠点を変えてから現在に至るも健在だという。

 自分にとってはただただ懐かしいベスト盤でもある。特に「アランフェス」「ヴァンドーム」は久々に聴くだけに、子ども頃に聴いた時のことなどを思い出す部分もある。狭い一室で兄の小さなレコード・プレイヤーで聴いていた頃のことだ。それから50年以上経っている。