女神の見えざる手

女神の見えざる手(字幕版)

女神の見えざる手(字幕版)

  • 発売日: 2018/04/03
  • メディア: Prime Video
 

  なんの予備知識もなしに観たのだが、メチャクチャ面白かった。観終わるまでジェシカ・チャスティンがあの『ゼロ・ダーク・サーティ』のマヤだとも気づかなかったくらい。ここ最近観た映画の中では一番かもしれない。

 お話はワシントンでのロビイストの活動をやや戯画化したもの。銃規制法案を巡って大手ロビー会社の凄腕ロビイストの主人公が、銃規制反対派の仕事を断り、銃規制派の小さなロビー会社に移籍し、知力と時には違法な情報収集を駆使して法案成立に向けて活躍する。銃規制反対派の仕事を請け負った大手ロビー会社は、豊富な資金力を使い主人公の私生活を探り、彼女の違法性を告発する。彼女への聴聞会の最後に、彼女は起死回生の反撃に打って出て・・・・。

 とにかくハイテンポな展開で、2時間10分強の映画を一気にみせる。主人公の敏腕ロビイスト、スローンを筆頭に、登場人物はやや類型的な感じもしないでもないが、主演のジェシカ・チャスティンの圧倒的な演技力がそういう批判をねじ伏せる感じ。あと脇役陣もけっこう頑張っていて、銃規制反対を請け負うロビー会社の社長を演じるマーク・ストロングや、スローンの部下役のインド系美女ググ・バサ=ロー、大手ロビー会社時代のスローンの部下で彼女のスキャンダルを探る役どころ演じるアリソン・ピルもいい雰囲気で好印象。

 銃規制という問題、ワシントン政界でのロビイストたちの暗闘、それらをハイテンポな娯楽作品に仕立て上げた監督はジョン・マッデン。この人は『恋に落ちたシェイクスピア』の監督さんでもある。

 この映画のどんでん返しをどうみるか、ちょっとあざといと思う人は低評価になるかもしれない。とはいえあのラストだけがすべてじゃないというのが自分の見方でもある。あのラストの衝撃みたいなもののリアリティみたいな部分にはケチつけようと思えばどうにもできる。でもそれだけじゃないと自分は思う。