コインランドリー

 4時過ぎに兄を病院に見舞う。兄はまだHCUにいる。ここにいる限りは衣類とかなにも必要がない。前夜カーテンで仕切られた部屋は何か暗いという印象があったが、日中来てみると壁と思っていたところは大きな窓があり、狭山市内の風景が広がっていた。ずいぶんと明るい開放的な治療室なんだなと思ったりもした。

 兄の様子は前夜よりはだいぶ意識とかもしっかりしている様子で、本人的には念のための検査入院みたいなことを盛んに口にしていた。正月早々、検査入院に付き合わされる身にもなってほしいという思いもあり、そう簡単なもんじゃないぞと釘をさす。

 実際、出血が止まらなければかなり重篤な状態のまま手術みたいなこともあったのだから。

 病院のあと、再び兄の家に寄り、今後兄が一般病棟に移った際に必要になるだろう衣類やらなんやらを少しだけ整理する。

 帰りに家の近くのコインランドリーの前を通るとガラス扉に年中無休の文字があることを確認。家に帰ってからゴミ袋に入れてあった兄の汚れ物類を車につめてコインランドリーに洗濯に行くことにした。

 しかしコインランドリーに行くなんてそれこそ10年ぶりくらいかもしれない。20代の頃にはよく車でかなり遠くのコインランドリーまで行くことがしばしばあった。思えば家族の洗濯物はずっと自分がやってきた。多分、中学生くらいからは父や兄、祖母の下着類は全部自分が洗った。でも今でこそ毎日のように洗濯をするが、当時はためるだけためて月に2~3回まとめてやるのが普通だった。それこそ洗濯機を3回、4回と回していた。

 20代になって車に乗るようになると、コインランドリーの乾燥機ですぐに乾かしができるのが有難く、ずいぶんと利用した。長い時間コインランドリーの前で本を読んだり、時には比較的近くのパチンコ屋で遊んだりとか。25~30歳くらいの頃だっただろうか、働いきながらつらい家事労働も背負わせられた暗い人生模様だったなと思ったりもする。

 久々のコインランドリーでは、12キロ洗い、15キロ乾燥機でずいぶんと簡単かつ短時間で全行程が終了した。衣類をざっとたたみ、汚れ物を入れた袋とは別のゴミ袋にまとめて詰めてから帰宅した。

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