Fly me to the moon

 アストラッド・ジルベルトの「Fly me to the moon」が無性に聴きたくなってこのCDを購入した。

Jazz Round Midnight

Jazz Round Midnight

 

 

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Jazz 'round midnight

 ヴァーブに残されたアストラッド・ジルベルトの音源のオムニバス盤である。その2曲目が探していた「Fly me to the moon」である。この曲は兄がシングル盤を持っていて、多分小学生の時に小さなレコード・プレイヤーで何度も繰り返し聴いた。

 ボサノバは多分、セルジオ・メンデスを同時期に聴いていて、次にゲッツとジルベルトの「イパネマの娘」あたりだったか。兄が好きだったこともあり、そのまま「美味しい水」やこの曲を聴いた。いきなりのスキャットから入るこの曲は子ども心にも大人の雰囲気、お洒落な曲調、美しいストリングスと自分の琴線に触れるものがあったのだと思う。

 その後にジョビンやCTIイージー・リスニング・ジャズとかを聴きだしたのは多分中学生だったから、もっと以前にソフィストケイトというか洗練された都会風のイージー・リスニング・ミュージックの洗礼を受けていたということになる。このへんは兄に感謝しないといけないのだろうなと思う。自分の音楽趣味の相当の部分は兄の影響によるところが大きい。ビートルズしかり、ジャズしかりである。

 「Fly me to the moon」のアレンジ指揮はクラウス・オーガーマン、今聴けば一発でわかるけれど、もちろん当時は知る由もなかった。オーガーマンはのちにジョビンのアルバムで知った。


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 さらに次の曲「Non-stop to Brazil」のアレンジ指揮はドン・セベスキーである。ヴァーブからCTIに続くツートップ・アレンジャーだ。これにデオダード加わればスリー・トップか。


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 このオムニバス盤のオリジナル・プロデューサーはもちろんクリード・テイラーである。ジルベルト、オーガーマン、セベスキー、テイラー、役者がすべて揃ったアルバムである。一生聴いていていたい愛聴盤になりそうである。