千葉市美術館「百花繚乱列島-江戸諸国絵師めぐり」展を観る

 子どもが大学の授業でこの展覧会を観てレポートを書くというので、つきあうことにする。当然、カミさんもついてくるので結局一家で出かけることになる。しかし、道路が空いていると千葉市内まで1時間と少しで行くことができる。関越道、外環、首都高、京葉道路と乗り継いで行くのだが、埼玉から千葉って、意外と近いものなのである。
 千葉市美術館、割とローカルな美術館をイメージしていたのだが、中々の規模である。千葉市中央区の区役所との複合施設の中にあるのだが、2フロアーの大きな美術館である。

 今回の「百花繚乱列島-江戸諸国絵師めぐり」は江戸中後期に活躍した絵師たちを出身地という切り口から紹介するという面白い試みであり、その展示作品を含め千葉市美術館侮れんというのが率直な感想だった。
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2018/0406/0406.html
その切り口を図録の章立てで追っていくと以下のようになる。

第一章 百花繚乱! 絵師列島への旅立ち−北海道・東北・北関東ゆかりの画人達
第二章 江戸−狩野派以外も大賑わい
第三章 東海道を西へ−尾張・伊勢・近江
第四章 京・大阪−諸派の爛熟と上方の版画
第五章 中国・四国地方と出会いの地・長崎

 そしてよく整理された「絵師めぐりマップ」がこれ。

 ついでにいえば、図録のクオリティの高さが半端ない。一週間前に観たトーハクのそれと比べても遜色がないくらい。全体として江戸期の日本画の事典として使うことも出来るのではないかとさえ思えるほどだ。

 正直、日本画はまったくの素人、門外漢である。近代美術館で明治以後のそれには少しだけあたりがつくようになってはいるが、それ以前はまったくわからない。しかし、この企画展の素晴らしさの一端くらいはなんとなく理解できるような気がする。還暦過ぎの俄かではあるが、もっと勉強しなければとも思った。