『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観る

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 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』をレイトショーで観てきた。ワカバウォークに買い物に来たついでにちょっと映画館に寄ってみたら、公開が今日までだった。金曜から新作にとって代わられるということである。そうなると単館上映しているところを追いかけることになるが、多分そんな暇もない。かといってDVDが出るまで待つのもなんだし。ということで急遽観ることにする。家族も観たいと言っていたので、一応電話するとカミさんも子どもも観たいというので、いったん家に帰って二人を拾い、さらに夕食を食べてから観ることにする。こういうことが出来るのも地元だからということに尽きるか。
 映画はさすがスピルバーグ作品という感じで、娯楽性の中に適度な緊張感もあり、主演のメリル・ストリープトム・ハンクスのまあ安定の好演もあり、地味なテーマながらスリリングな社会はサスペンスになっていた。
 ただし、この映画を楽しむためにはアメリカ現代史の知識、ベトナム戦争についての知識が必要かもしれないとも思った。
 案の定、カミさんは爆睡してた。大学生の子どもは割と面白がってはいた。本人曰く、ベトナム戦争も少しは学校の歴史の授業で習ったから、少しわかると。とはいえ、アメリカの大統領とかはちょっと判らないとも。今時の子には戦後のアメリカ大統領どころか、日本の総理大臣もしんどいかもしれないな。まあ歴史意識ってやつだろうか。
 そういう自分はどうかといえば、トルーマンアイゼンハワーケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レイガン、ブッシュ(父)、クリントン、ブッシュ(子)、オバマ、トランプ。う〜む、戦後の大統領は空で全部言えてしまう。下手をすると日本の総理大臣よりきちんと覚えているかもしれないな。
  しかしこの映画にみる報道の自由と、政府の不正への追及といった視点は、やはりアメリカには多少欺瞞的であっても民主主義があるということだと思う。朝日新聞が森友をめぐる財務省の文書改竄をスクープしても、他のマスコミの報道は鈍かったし、加計学園を巡る問題にあっても政府与党はいまだに記憶が蘇ったと調整してるくらいなのである。
 この映画のエンド・クレジットにノーラ・エフロンに捧ぐってあった。ニューヨーク都会派女流映画監督の彼女が死んだのはけっこう前だけど、スピルバーグと親交があり、トム・ハンクスメリル・ストリープの映画を撮ってるので、そのへんが理由なんだろうか。監督となる前は脚本家だったが、さらにそれ以前は新聞にコラム欄を持っているライターだった。ひょっとするとワシントン・ポストの仕事をしていたこともあるのかもしれない。
 どうでもいいが、最初小説家として紹介された頃はノラだったと記憶してる。