「総統はお怒り」シリーズのパロディで有名なやつをようやく観た。重厚な映画で
ヒトラー、側近の
ゲッペルスとその妻が6人の子どもを殺害してから、
自死するあたりはややエモーショナルな描かれ方もするが、基本的には淡々と事実を元に描いている。
元々は
ヒトラーの個人的な秘書であった
トラウデル・ユンゲの手記『
私はヒトラーの秘書だった』を原作に脚色している。
ユンゲは若く美しく、
ヒトラーの秘書となったのは単なる若さ故の好奇心によるという。周囲からは反対されたという。映画はベルリン陥落、ゲルマン帝国が崩壊する最期の12日間を活写する。そして最後に
ヒトラーと
エヴァ・ブラウンの
自死、後を追うようにして
ゲッペルス夫妻が自害し、総統地下壕は閉鎖され、ベルリンは
ソ連軍の進軍による陥落する。
映画のラストはユンゲ自身のインタビューで終わる。
「私は気づきました。若かったというのは言い訳にならない。 目を見開いていれば気づけたのだと」
歴史の忘却と修正主義がはびこる日本では、こういう映画は出来ないのではないか。それが率直な感想でもある。