物流倉庫の見学会

 昨日は、お偉方に誘われて物流倉庫見学会に参加した。

 自身もそれに近い仕事をしているので、興味津々な部分もあるにはあるのだが、ロートルな自分のような者が行くよりも、もっと若い人間が行った方がいろいろと経験になるのではと思った。とはいえ今後の物流改善について、いくつかの施策、試案を作るお役目もあるにはあるので、参考にすべきことは参考にというところだ。

 その会社は中堅どころ、あるいはもう大手に近いところだ。かなり以前に◯◯億をかけて物流倉庫を作ったという。入庫からピッキング棚への補充などはほとんどが自動化されている。問屋ほどではないがマルチソーターも保有している。通常、ソーターは主に返品部門で利用している。自分が知っている限りでは導入したところはだいたい返品利用だが、ここは納品にも利用している。

 さらに自社以外にも数社と取引があり、商品を扱っているとか。面白かったのはピッキング用のデーターは自社、他社のものが一緒になっており、同じゾーン内に保管してある自社、他社商品をピッキングし、ソーターに流す際に仕分するのだとか。

 一緒に見学した誰かがメーカーというより問屋だね、みたいなことを言っていたが、まさにその通りだと思う。

 ただし、システマチックな物流倉庫はこれまでにも何社か見てはいるので、とりわけ目新しいものがある訳でもなかった。なんとなくの印象では、これはシステムありき、システム屋さんが作った倉庫という感じがした。まあ極めて人間臭い、人海戦術で日々の仕事をしている身としては、どこか負け惜しみみたいな部分もなきにしもではあるが、効率を重んじる物流倉庫はだいたいこういう方向に行くのだろうとは思った。

 もっとも投資に見合う効果があるのか、結局スケールメリットがないとこうしたインテリジェント型倉庫は機能しないのかもしれないとも思った。

 アマゾンのようなハイテクかつ、人海戦術で人を酷使するインテリジェント倉庫はあるが、あれは最大限にマスアイテムを扱うからこそなんだとは思う。一方で、需要が収縮する業界にあっては、もっとミニマムな物流が必要になるのではないかと思う部分もある。

 とはいえ、物流コストは高騰を続けている。中小企業が一社でそれを吸収していくのは難しい。大手による吸収合併や統廃合もあるかもしれないが、右肩下がりの業界にあってはそれも進まない。なんとなく今、イメージしているのは、中小零細による共同組合型の物流倉庫だ。これまで取引個々、独立独歩でやってきた業界ではあるが、多分生き残りの施策としては弱者連合的な形で、そういう動きが出てくるのではないかと、いつもの思いつきだったりもするが。