これも見逃していた作品。1976年の作品を同じ監督、主演でリメイクした作品。いくらなんでも老人となった石坂浩二が再び金田一耕助を演じるのは無理があるだろうと思いながら、なんだかんだで観ちゃうところが笑える。他にも大滝秀治、加藤武も同じ役で出演している。ついでにいえば二人とも2012年、2015年に死んでしまった。そして監督の市川崑はこの映画が遺作となっている。そういうことを思うとなんとも淋しさが募る映画でもある。
お話はもう前作を何度も観ているし、小説だって高校生の頃に読んでいるから、しっかりわかっている。正直にいえば、21世紀にもなって横溝正史の映画化はいささか陳腐、かつしんどいだろうとも思う。実際、そういう感じだ。
とはいえこの映画は市川崑とがしかけた盛大な同窓会映画だと思って観れば、まあ優しい気持ちになれる。そういう種類の映画だとは思う。実際、最初のスタッフロールが市川崑の金田一シリーズで定番のタイポグラフィックによるところなんかを見ると、もうそれだけで涙がでそうになる。