都議会選挙

 久々溜飲が下がるような自民党の負けっぷりだった。改選前の57議席から全員当選を果たした公明党と並ぶ23議席に。半分以下という散々な結果となった。
 その理由は国会で過半数を占めることからくる一強の奢り。強引な国会運営による共謀罪の成立、国有地を格安で売却した森友学園問題、規制緩和と称して安倍総理の友人が経営する学校法人に獣医学部設置を認めた加計学園問題、それらに対してきちんとした説明をすることなく、情報不開示、さらには公文書や記録の破棄といった点で国民から疑念を持たれたことなど。
 しかし自民党から流れた票の受け皿となったのは、野党勢力ではなく、小池知事が立ち上げた都民ファーストという地域政党。明らかな自民党の補完勢力なのである。かっての大阪における維新の会と同じ構図である。それ以前のことについていえば、70年代の新自由クラブや90年代の日本新党新進党、比較的最近のみんなの党など、全てが保守政党の補完的目くらましとして立ち上がった新党なのである。
 「歴史は繰り返す、二度目は喜劇として」的な言葉はマルクスフランス革命とその後のナポレオンの台頭を著述した中で語ったものだったか。その換用としてあえていえば、日本では何度使い古された、多分誰も笑わないような喜劇を繰り返すのかということになる。
 しかしこの選挙結果を予想されるようなエポックメーキングな事件が選挙最終日に起きた。それまで非難されることを恐れ、街頭での選挙演説を一切行っていなかった安倍首相は、選挙最終日に自民党にとって比較的親和性のある土地柄である秋葉原で街頭演説を行った。政党の党首が選挙最終日に動員をかけて街頭演説を行うのは通例であり、不人気かつ森友や加計で疑惑を持たれたことから安倍隠し的に動いていた自民党もさすがに最後だけは街頭演説をということになったようだ。
 その秋葉原でまさに安倍が演説を始めた途端、周囲から「帰れ」コールや「安倍やめろ」コールが起きた。それも広範囲に渡ってだ。保守陣営からは共産党の動員だのといった誹謗中傷があったようだが、これはSNSによる口コミで広まったようだ。twitterでも「安倍が最終日、秋葉原に来るようだ」「抗議の声を上げに行こう」といったツィートがいくつも散見していた。多分そうした自然発生的に集まった人々により「安倍やめろ」コールが始まったようだ。
 これまで自民党一強により、三度の国政選挙に圧勝してきた安倍自民党政権の瓦解の始まりになるのかもしれない。その一強は政権とマスメディアの癒着によって作られた世論に基づいていたのだが、それもまた少しずつ決壊し始めているということなのかもしれない。