国立西洋美術館〜黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝

 例によって妻がどこかへ連れていけと煩い。今回の正月は遠出していないし、妻の実家に一泊しただけ。まあ一日くらいどこかへ行ってもいいかとも。それなら近場の美術館か幾つか探してみるが、家から比較的近い八王子の東京富士美術館や浦和の埼玉近代美術館はお休み。なんで正月にお休みなんだろうと思ってよくよく考えると月曜日だからかもしれない。それでは箱根のポーラはやっているようなので、行ってみるかと思ったが、家を出たのが昼過ぎなのでさすがに断念。なので年末にも行っている上野の西洋美術館を選択。こっちは去年だけで4回くらい行っているのだが、妻は初めて。車椅子での利用はうまくいくかという関心もあった。
 上野では美術館に一番近い上野パーキングセンターをいつも利用している。今回もうまく空いていたのでスムーズに入ることができた。もっとも身障者用のスペースは埋まっていたので5Fの普通スペースにとめる。
 まず最初は常設展を観た。相変わらず改修中のため、中世からルネサンス期の絵画スペースは閉じられており、その中から厳選したものを企画展示室で展示している。車椅子のためエレベータを利用すると最初に入るのはモネの間。そこから印象派の間を通り、回廊を抜けてから企画展示室に行く。そこからは妻とほぼ別行動をとり、いつものように回廊でコローの絵に親しみ、印象派の絵とモネの絵に長い時間をかけた。
 一通り観てから、まだ時間が1時間以上あったので、地階の企画展示室で行われている「黄金伝説 古代地中海世界の秘法」を観た。
[企画展示室]黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝|国立西洋美術館
 とはいえ宝飾品等への関心はあまりないので、まあ軽くスルーしようと思っていたのだが、いきなりモローの大作「イアソン」を観ることができその素晴らしさにしばし時間をとって鑑賞した。

 モローの絵は常設展示にも「牢獄のサロメ」「ピエタ」の2点があり鑑賞したばかりだったが、2点とも小品である。それに対して「イアソン」はたぶん縦は2メートル近くあるだろう大作である。その美しさ、審美主義とでいえそうな荘厳さに正直驚かされた。
 この黄金展は地中海から黒海周辺で発掘された金細工の宝飾品を展示してあり、そこに黄金をテーマあるいは題材にした絵画を数点混ぜて展示するというユニークな企画展だ。自分自身は宝飾関係には一切興味がないので、絵を中心にして周遊した。