オルセー美術館再訪

カミさんがデイケアの友人たちとバス旅行に行くというので、朝4時起きして最寄の待ち合わせ場所まで送っていく。まあ車椅子片麻痺の人なので活動範囲はうんと狭まっているので、こういう行事を企画したときはとにかく出来るだけのお付き合い。で、戻ってくるのが8時頃ということなので、その時間にまたお迎えに行かなければならない。
朝早くから始動して、日中に空き時間があり、でもお迎えがあるから昼酒もできない。普通なら家事三昧なんだろうが、そういうのもなんとなく嫌な気分、かといって家で寝たり、DVD三昧もなんとなくな〜とも思い、気合を入れて都内に出ることにする。
出かけた先は先週も行った六本木新国立。そう二週続きでオルセー美術館展に行くことにする。こういうポカッと空いた時にでも行かないと絵も観れん訳で。で、計画としてはほぼ開館と同時に入り、ゆっくり印象派に包まれて。昼食後には同じ新国立で開催しているチューリッヒ美術館展にも行く。展覧会のマチネーということ。
休日朝10時の六本木というのもなかなかに趣きがある。ミッドタウン前で地上に出て新国立に向かう。オルセー展はえらく混んでる。先週は雨で客足やや鈍っていたのだろうが、今日は天気はまったく問題なし。日本人って勤勉なんだよな。もう朝早くから有意義に時間を使い一生懸命名画を見ようとやってくる訳だ。
だもんでもう端から一番目玉とされるマネとかはもうパスして、ただひたすら印象派の風景画の部屋に居続けた。もちろん行きつ戻りつして全部観たけれど、7割方は印象派、モネ、シスレーセザンヌピサロをずっと観ていました。そういう意味じゃ先週とほぼ同じパターン。
全開も気に入った絵なのだが今回改めていいなと思ったのはベルト・モリゾの「ゆりかご」。

白の質感とかの表現はマネやドガとかと同質の感じがする。この女流画家はマネのモデルをしていて、後にマネの弟と結婚して当時の画家にしては割りと稀かと思える幸福な結婚生活を送ったという。一児をもうけたのだが、その女の子ジュリー・マネは両親の死後、ドガルノワールアポリネール等が後見人となったという話もある。なんかいい話である。
ベルト・モリゾはその他にも沢山描いている。マネの影響からじょじょにモネやルノワールの影響がうかがえる。さらにいえばこの人えらく美人だったようでマネによる自画像にもそれが伺える。これは今回のオルセー展にはないのだが個人的にはお気に入りの一枚でもある。

結局オルセー展には2時過ぎまでいただろうか。遅い昼食を食べるために一度外に出る。向かったのは立ち食いステーキ店「いきなり!ステーキ」。前に通りかかって一度行きたいなと思ってたのね。そこで一般的な300gのステーキ食べました。還暦近いっていうのに何やってるんだか。まあそのうちこういうのがもう勘弁みたいなことになるのだろうかね。
それからまた新国立に戻ってチューリッヒ美術館展に行きました。ただオルセー展とステーキでお腹一杯みたいな感じだったので、正直流した感じです。オルセーほど混んでもいなかったのだが、なんとなく展示されている絵も有名所が1〜2枚づつみたいな感じで、印象派から現代絵画まで系統だてて展示されているのだけど、なんとなくこれぞというものがないような印象。
個人的にはスイスの美術館展なのでセガンティーニとかが潤沢にあるのかと思ったのだが、オープニングに2枚あるだけで少し拍子抜け。まあセガンティーニは煎じ詰めればイタリア人ではあるけれど。でもあのアルプス三部作とかを一度観てみたいとも思う。同じスイスの画家ということでホドラーとかヴァロットンもう少し展示作品も多かったみたい。
ホドラーは今ちょうど上野の西洋美術館で展覧会をやっているようなのでそちらにも行きたいなと思ったりもした。ヴァロットンは前から気に入っていた「日没」が観れたのが嬉しかった。
まあその他の作品とかについてはそのうち時間があったら少し書いてみたいとは思うのだが。