浜通り方面を行く

日光那須旅行の続き。
帰り那須からいわきの方に回ってみた。1〜2ヶ所回りたいところがあったからなんだが、若干時間もあったので、せっかくここまできたのでということで少し北上してみることにした。観光気分、物見遊山に近いものがあり、顰蹙かもとも思ったが見てみないことにはという思いもあった。
昨日そのことをツィートしてみた。

昨日、旅行の帰宅途中いわきの辺り通ったので、少しだけ国道6号線を北上、Jヴィレッジの少し先まで足をのばした。国道沿いは整備されているけれど、なんか人の気配がない。ここはたしかもう警戒区域じゃないはずだけど。

広野から楢葉のあたりを整備された6号線を通ったのだが、潤沢な原発マネーが毎年毎年落ちていたところなので、道路は広く整備されている。しかしなんとなく人気がない。夕刻の時間ということもあるのだろうが、車もほとんど通ることなく閑散としている。

線量も思ったほど高くない。車の中で0.3から0.5くらい。ただふだん0.01〜0.03とかの数字見慣れているので、やっばりとも思う。

旅行とかに行くときは、念のためというかまあ普通に線量計を携帯する。これも3.11以降身につけた習慣みたいなものかもしれない。私が持っているのはロシア製のSOEKS-01Mという空間線量計でちょっとオモチャっぽい。2011年の夏頃に買ったんじゃないかと思う。
埼玉や都内で計っている限りでは0.1以上になることはほとんどない。ただし2011年の頃には家の近所でも普通に0.1〜0.2μSなんてざらにあったようにも記憶している。確か家の雨樋の下で0.3とか出たようにも覚えているのだが。そういう意味ではけっこうあの頃は首都圏もやばかったのかもしれないとも思う。もっとも素人計測だから実測とまではいえないかもしれない。
そして広野周辺の線量だが、これは車中で計っているので、外に出ればたぶんもっと高いだろう。このへんは警戒区域でもないし、普通に外出て動き回ってかまわないところなのだが、時間も夕刻になりつつあったのであくまで車で移動するだけにしていた。
道の駅ならはに入ろうと思ったが、当然のごとくやっている訳もなく、しかも現在は双葉警察署の臨時庁舎となっている。なのでやり過ごしもう少し富岡方面に走って、右折して田圃が広がる方へ入ってみる。

いったん国道からそれるといきなりこういう光景が目に入ってくる。やっばりショックだな。報道とかでは見知っていることだとしてもだけど。 pic.twitter.com/awJIlpWGQO



ツィートしたとおりなのだが、本当にショックである。さんざニュース等で見かけているのだが、いざ実際に見てみると放射能汚染の実態というものが普通に伝わってくる。見えない放射能は、放射性汚染廃棄物としてビニール袋に入れられ山積みされることで可視化する。それらが田園のあちらこちらに放置されている。それがあの地の現状ということだ。この汚染廃棄物はいずれどこか数箇所に集積されることになるのだろう。田園の近くにこんな仮置場の設置予定という看板も出ていた。

いずれこの仮置場が中間貯蔵施設となる可能性もあるだろう。さらには最終処分場がこの地に作られ、県内の放射能汚染廃棄物が集められることも容易に想像できる。大規模な原発事故が起きるということはつまりはそういうことなのだ。
福島で日本国内の様々な場で、原発事故と放射能汚染の実態から必死に目逸らしする風潮が生まれている。たぶん私のようにことあるごとに原発放射能と問題視する輩は放射脳とレッテルを貼られるのだろう。そんなことをいっても原発がなければ電気が不足する。汚染、汚染といっても影響がどれだけになるかなど誰にもわかりはしない。福島には現に人が暮らし生活を続けているのだ。彼らの日々の生活のことを考えれば、多少の汚染なりを大袈裟に声高に語っても、何のメリットもない。そんな声が聞こえてきそうな気もする。
本当に短時間、しかも観光のついでに立ち寄っただけだったが、自分にとっては良いことだったとは思う。あの現実のいったんを目にすることができただけでもという意味で。次はもう少し時間をかけてかの地を回ってみたいとも思う。だからどうなるものでもないのだが、実際に目にすることで本だの報道だのではわからない部分も見えてくるかもしれない。
浜通りについていえば、自分の住んでいるところよりはやはり高線量の地域である。無用に放射線量を浴びる必要もたぶんないのかもしれない。でもそれこそ自己責任の問題だと思っている。もう人生の第4コーナーにかかりつつある身である。自分が見たこと、認識したことを誰かに伝えるとか、そういうのも必要かもしれない。