高校が決まる

  昨日、第一志望の公立高校の結果発表日。発表を見に行った子どもから会社に電話があるも、残念な結果とか。なんとなく予感していたのだが、やっぱりという感じだ。
 子どもの様子見ていても、どことなくモチベーションが下がっている様子もあった。そもそも第二志望、第三志望で受けた私立高のほうが、実は偏差値的には第一志望の公立よりも高い。なので、私立受かった時点である種、もういいかみたいな気の緩みが見受けられた。
 さらに出願の際に受験する子どもは一緒に高校まで行くことになっているのだが、そこで初めて誰が受けるかが判る。聞くとうちの子どもにとって苦手な子たちばかりで、特に大の苦手な子が受けるのだという。電車の中でも一人だけ少し離れた場所にいたともいう。こりゃモチベーション下がりまくりだろうなとも思ってはいた。
 そして今日である。埼玉では私立高を併願で受けた場合、入学金の支払い及び入学手続きは公立高校の結果発表の翌日が締め切り日なのだ。なのでこの日、朝も早くから制服姿の子どもと母もしくは父の二人連れが電車に乗っていたら、それは間違いなく不運にも公立高校に縁がなかった組ということになる。
 私も仕事を休みとって子どもと連れ立って入学手続きに向かった。といってももろもろ仕事のこともあり、午後遅くなってもとりあえず会社には顔出すとは言っておいた。
 前日から子どもとは一応話をしてはいた。私立高校をどっちにするかについてである。A高は女子高で偏差値レベルが若干上なのだが校則が厳しい。B校は共学で校則は緩め。ただし校則が厳しい分、A校のほうが親や塾の受けはいい。ただし子どもからすれば夢にまで見たJKライフが場合によっては3年間牢獄暮らしになってしまう可能性もあるわけで、自然とB校にと傾く。親的にはA校を押しつつ、あまり強制も出来ないので子どもに考えさせる形でいろいろ話し合ったのだが、やはり子どもはB校へという。
 そういう前夜の2時頃までの話合いのうえで今日はB校へ行くことに決まっていた。駅に着いて最終判断的にB校でいいんだなと子どもにも確認した。というのはB校とA校では行き先が正反対になるから。電車に乗ってしばらく行くと両側に田園風景が広がる景色になる。そう沿線を下っていくのである。子どもその風景に微妙に不安になったのか押し黙る。そして最寄駅に着いて改札を出ようかという時になって、「やっぱりA校がいいと思う」みたいなことを言い出す。
 とりあえず改札を出てから駅舎の中にある喫茶店に入って、それから堂々巡り的な話の蒸し返っし。A高のほうが進学実績は高い。厳しい分鍛えられるし、きちんと学習指導もしてくれる。B高も上位クラスの進学実績はそこそこ。校則が緩い分、あまり生徒の面倒見はよくない。でも本人の自覚次第でどうにでもなる。ほとんどのことがすでに何度も話されたことばかり。それでもどうにも話が決まらない。
 予定では駅から少し離れたところにある銀行に行き入学金を支払ってから学校に向かうはずなのだが、どうにも行きつ戻りつの優柔不断親子である。喫茶店を出た後で銀行に向か間もまだA高はB高はと話は続く。それで第三者の意見をとも思い、塾の担任に午前中だというのに電話してみるとすぐに出てくれたので、B高に決めて最寄駅に来たのだが、子どもが迷っているので話を聞いてくれと言ってから子どもに電話を代わらせる。それから10分、電話を終えてからも子どもはどうしようとまだ決まらない。
 それでとりあえず一つの提案としてこう切り出してみる。B高は4時までに手続きをすればいい。でもA高は昼過ぎで締め切り。今行けば銀行で入学金を支払って向かえば間に合う。とりあえず引き返してA高に行ってみる。それでもやっぱりB高ということになれば戻ってくればいい。
 そして駅に引き返し電車に乗る。A高の駅までは30分くらいである。その間にも子どもといろいろ話をする。子どもはなんとなく、3年間くらい厳しいところにいるのも将来のことを考えればいいかもしれないとか、落ちた公立よりも結果としてA高のほうが進学のためにはいいかもとか、A高についての前向きなことを言い始める。
 そうとなると後は事務的に物事を進めるだけ。まず銀行で入学金を支払い、それからタクシーでA高まで行く。ほぼギリギリの時間に入学手続きをすませ、制服などの採寸や体操着や靴の申し込みなどなどを行う。結局、学校を出たのは1時過ぎ。それから昼食をとり帰宅するとほぼ3時近い時間である。とんぼ返しのごとくにすぐに会社に向かう。
 そう、そのようにしてとりあえず子どもの高校が決まった。