モーリス・アンドレ死去

http://www.asahi.com/obituaries/update/0227/TKY201202270082.html

モーリス・アンドレさん死去
モーリス・アンドレさん(仏トランペット奏者)が25日、仏南西部バイヨンヌの病院で死去、78歳。死因は不明。AFP通信が伝えた。
南仏の炭鉱町アレス生まれ。パリ音楽院を経てフランス国立放送管弦楽団などに入団。ジュネーブミュンヘンの国際コンクールで優勝、名手として知られた。バロックから現代音楽まで幅広く手がけ、「シェルブールの雨傘」などの映画音楽で知られる作曲家ミシェル・ルグランの楽団と共演するなどジャンルを超えて活躍し、トランペットの演奏表現を広げた。録音は200曲以上。73年以降、たびたび来日した。

新聞の片隅に載っていた。といってもあまり詳しく知っているわけでもない。娘が吹奏楽部でトランペットをやっているので、クラシックのきちんとした名演奏を聴かせようとしてCDを幾つか買い求めたのがきっかけで知るようになった。
ジャズならマイルズ、クリフォード・ブラウンリー・モーガン、フレディ・ハバート、チェット・ベーカーとすぐに五指やそこらあげることがクラシックとなるとまったくわからない。ネットなどで調べると比較的よく出てくるのがこの人だった。
クラッシック畑のトランペッターとしては最高峰に位置する名演奏家、大御所といったところだろうか。炭鉱町で生まれ、一時期は炭鉱で働いたこともあるという。写真で見ると眉毛が太く、確かにブルーカラー系のおっさん然とした雰囲気を醸し出していた。
演奏は軽やかにして変幻自在、トランペットのコンチェルトは数少ないのだが、オーボエクラリネットによるコンチェルト曲をトランペットにアレンジして数々の名演奏を残した。
私が持っている一枚はある意味ポピュラーなものばかりだけど、その中でもよく聴いているのがこれである。

ハイドン、L・モーツァルトモーツァルトの名曲を本当に軽やかに謳いあげていく。BGMとしても最適だし、クラシックの入門盤としても万人に勧められるアルバムなんじゃないかと思っている。
モーリス・アンドレ - Wikipedia
ウィキの記述で初めて知ったことだが、ピッコロ・トランペットはこの人がセルマーと一緒になって開発したのだとか。1959年、たぶんデビューして間もない頃のことである。なんとも偉いやつではないか。
この人がいなければ、「ペニー・レーン」のあの間奏はなかったということになる訳である。ちょっとした感動である。78歳、クラシックの世界に大きな足跡を残した人である。冥福をお祈りします。