中村紘子逝去

中村紘子さん死去 国際的に活躍したピアニスト、72歳:朝日新聞デジタル
中村紘子さん死去 国際的に活躍したピアニスト、72歳
 国際的に活躍し、後進の育成にも情熱を傾けたピアニストの中村紘子(なかむら・ひろこ、本名福田紘子〈ふくだ・ひろこ〉)さんが26日、大腸がんで死去した。72歳だった。葬儀は28日に近親者で営まれた。後日、お別れの会を開くという。
 1944年、山梨県生まれ。幼少からピアノを始め、井口愛子氏に師事。慶応中等部3年だった59年、日本音楽コンクールで1位特賞。米ジュリアード音楽院ロジーナ・レビン氏に師事し、65年にショパン国際ピアノコンクールで4位入賞、最年少者賞を受けた。
 世界各地で公演をしながら、チャイコフスキー国際コンクールショパン国際ピアノコンクールなど数々の権威あるコンクールの審査員も務めた。また、97年から約12年間にわたって浜松国際ピアノコンクールの審査委員長を務めるなど若手ピアニストの発掘や育成にも尽力した。
 89年、国際コンクールの舞台裏を書いた著書「チャイコフスキー・コンクール」で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。その後もエッセー集「ピアニストという蛮族がいる」を出版するなど、文筆家としても活躍した。さらにカレーのテレビCMに出演するなど、広く親しまれた。
 私生活では74年、芥川賞作家の庄司薫さんと結婚。精力的に活動を続けてきたが、2014年に大腸がんが見つかり、一時休養していた。昨年6月に本格復帰を宣言したが、同8月に活動休止を発表。今年の春から活動を再開するなど、復帰と休養を繰り返していた。

 綺麗なピアニストだった。ショパンが得意で力強いピアノを弾く人だった。その力強さはあの二の腕からだろうなと勝手に思っていたのだが、確かに太い腕も印象的だった。女流ピアニストの二の腕というと、この人とマルタ・アルゲリッチを思い出す。いずれも美貌でありながら逞しい二の腕の人だ。
 そしてこの人が書いたエッセイ『ピアニストという蛮族がいる』はとても面白かった。以前から知ってはいたのだがきちんと読んだのは数年前、多分電子書籍で最初に読んだ本だったと記憶している。

ピアニストという蛮族がいる - トムジィの日常雑記
 最後にやっぱり一流のピアニストである以上、その演奏を。ご冥福を祈ります。
http://www.youtube.com/watch?v=5qC9Q69KawE