脱原発推進の次の手とかないだろうか

いよいよ停止中の玄海原発の再稼動が秒読みに入ってきた。原発推進を一手に担う経産省とその走狗とでもいうのかな、海江田経産相原発安全宣言を行って、とにかく停止中の原発の再稼動の既成事実を作らなくてはならないということなんだろう。
表向きの理由は、このまま停止中の原発再稼動がなければ、電力不足が深刻化し、日本経済に大きな影響を与えるということ。でも、現在停止中の原発の再稼動がないまま、今後も検査による停止が続けば来年春にも全54基の原発が停止してしまう。原発停止が既成事実化することをとにかく恐れているということなんだろうな。
現在停止中の原発は全54基のうち37基。8月中には確か42基が停まることになるという。
asahi.com(朝日新聞社):夏の電力切迫の恐れ 全国の原発54基中42基停止も - 東日本大震災
ようは原発なんてなくてもなんとかなるんじゃないのという事実が定着することが一番困るという理屈なんだろうな。だからとにかく電力不足だの、節電キャンペーンを毎日垂れ流す。日本には原発が必要なんだということを国民に刷り込む、刷り込む。そういうことなんだろう。
朝日のこの5月の記事を読んだときには、なんだ脱原発なんてけっこうかんたんじゃないかとそう思った。停止した原発をそのまま廃炉にすればいいんだ。後は長い年月かけて解体すればいいと、まあそんなことを思ったものだ。
しかし経産省も必死だし、電力会社は電力不足を必死にアッピールしている。電事蓮という業界団体を通じて、あるいは電力総連を通じて政党にも圧力をかけている。このへんが電力権益体制の中核部隊であり、菅パッシングを指示しているのもここらが肝なのかもしれない。
一方で菅も煮え切らないね。再生エネルギー法案の成立に執念燃やしているとかいわれているけど、ここはもう思い切って反原発に舵をとって欲しいところだ。おっちょこちょいで、流行に流れる彼ならではの思いつきで、ここはもうそこまでいくべきだ。
自民党参議院議員を一人一本釣りしたやり方にはかなり批判があるようだが、あれはけっこう自民党に対して効果的なボディブローになったんじゃないか。当然のごとくまだいるんじゃないか、釣られるやつがと疑心暗鬼になるもの。まあ策したのは亀井あたりなんだろうけど。
ここで今思いついたんだけど、いっそのこと菅は反原発を思い切って宣言しちゃえばいい。そこで間髪入れずに海江田を罷免する。後任には誰がいいかな、そう自民党で唯一の脱原発論者、河野太郎なんかどうだろう。当然、国会はわやになるだろうし、民主党内もぐたぐたになる。そこで伝家の宝刀、脱原発一本で解散総選挙にでも打ってでればいい。とどめに菅は自分の後継は河野太郎にみたいなこと宣言しちゃえばいい。そこまでの確約があれば、河野の動きそうな気がするしと。
被災地復興を前にして解散は暴挙であるとか、そういう正論めいた論が沢山出るだろう。でも今の政治の情勢はどうだ。今の自民党にはわずか数年前まで唯一の責任政党であったはずなのに、その気概もなにもない。大昔の社会党以上の抵抗野党勢力でしかないように思う。民主党は、まだまだ役不足、経験不足なんだろうな。しかし今のねじれ状態が続くなかでは、政治は混迷のままだ。原発一本でもしもかっての小泉がやったような郵政解散の時のような結果が生まれれば、新しい政治状況が生まれることは間違いないとも思う。
3.11フクシマ以降の日本は、どういう方向に向かわなくてはいけないのか。欧州ではやれ集団ヒステリーだのなんのといわれようが、フクシマを目の当たりにしたうえでの国民的な意思表示が示され始めている。当事国の日本もそろそろ世界に対してフクシマ以降の舵取りを、方向性を示すべきときなんじゃないのかと思う。それを考えると、けっして脱原発一本での解散総選挙もさほどおかしなことではないと思う。
まあその前提としてだけど、菅さん、河野さん、少し真面目に処し方考えてみてはどう。