節電とバリアフリー

世を挙げて節電、節電とやかましい日々である。実際、店舗もみんな薄暗いしね。車椅子の障害者を抱えている身としては、節電社会と化した世の中を生きていくうえで、けっこう悩ましい問題もあったりする。エレベーターがけっこうな確率で停止していたりする。スーパーとかでも2基のうち1基停止なんていうのがザラだから。その分待ち時間とかも長くなる。まあ被災された方々の苦労を思えばそのくらい我慢我慢ということなのかもしれない。
しかし明日からの節電義務付けにより、なんとなく流れ的にはほとんど節電ファッショみたいな風潮になっていくような気もしてならない。一億総節電、節電しないやつは非国民みたいな方向性。だから身障者で車椅子で、エレベーター利用しないと移動が困るみたいなことを申し上げても、なんか節電のためにエレベーターは止めなくてはならない。身障者も無理してでも階段使えとか、そもそも節電の厳しいご時勢に街中うろつくなとか。まあ極論あげつらっているけれど、それに近い心性に流れていってもおかしくないような部分もありそうな気がして、けっこうヤバイと思ったりもする。
ただでさえ中々に生きにくい、暮らしにくい世の中が、ますます加速していきそうでちょっと嫌である。
脈絡もなく、ゴールデンウィークに京都に行ったときに地下鉄を利用したことを思い出した。京都はさあ、たとえば河原町みたいなメインの駅でも、エレベーターさえなくて、最近では都内ではあまり見かけない昇降機を使ってホームに降りたり、改札まで上がったりした。
しかし最近の合理化のせいだろうか、ホームとかにもあまり駅員もいないので、まず介助者が階段駆け上がってさ、事務室に行って車椅子の人間がいることを告げて、それからおもむろに駅員が降りてきて、昇降機をセッティングしてみたいなことをするわけだ。えらく時間かかる。身障者はたぶん急いだりしてはいけない身分なんだろうなと再認識させられてしまう。
しかし節電のご時勢、こういうのまで間引かれたとかはまさかないとは思うが、なんとなく利用しずらいというか、世間の目が冷たくなりそうだな。駅とかで車椅子用の昇降機とかを利用したのはほとんど始めてに近いことなのだが、あれって朝夕のラッシュの時でも利用可能なんだろうか。混雑している時はちょっと難しいだろうなと思う。まあそれ以前に、身障者が朝夕ラッシュ時に電車に乗るのは間違っているというのが社会的通念なのかもしれないけど。