中学生吹奏楽フェスティバル

昨日は娘の吹奏楽部の発表会。JAいるま野主催の中学生吹奏楽フェスティバルということで、武蔵野音大バッハザールで行われた。
近隣中学21校が参加したもので、コンテストではなくあくまで発表会なのだが、会場、参加校等をみてもけっこう大規模なもの。JAいるま野がけっこう金使ってくれているのだろうと推測した。
会場のバッハザールはさすが音大のホールである。音響効果も抜群という感じである。顧問の教師たちも中学生でこの会場で演奏できるのは幸せと言っていたけれど、実際そのとおりだと思った。
ステージの中央には大きなパイプオルガンが鎮座している。お昼の時間にはゲストとして武蔵野音大准教授藤枝照久氏の演奏もあった。
演奏は有名な「トッカータとフーガ」から始まり、著名な曲を4曲と、それぞれの曲やパイプオルガンに関する説明など、さながら中学生のためのパイプオルガン教室みたいだった。パイプオルガンの演奏を生で聴くのは私も初めてのことで、解説を含めて楽しませてもらった。正直パイプオルガンの演奏だけでも元がとれるというか(元々無料の催しだけど)、来た甲斐があったと思えるくらいだった。
こういう機会は中学生ではなかなかないだろうから、その日参加した各校の吹奏楽部の生徒たちには素晴らしい体験になったのだろうと思う。とはいえ、二階席から生徒たちの様子を見ていると、けっこう大胆に寝ている子たちもいるようで、それはそれで微笑ましかった。まあ、この発表会のために毎日、朝練から放課後の部活練習、子どもによってはその後塾へ行ったりと、そこそこハードな生活をしているわけなので、こうして心地よい音楽に囲まれていると、それこそ子守唄みたいなことになるのだろう。
各学校の演奏の後、最後にもう一つゲスト演奏として埼玉栄高校吹奏部の演奏もあった。ここは毎年、吹奏楽部の甲子園ともいうべき普門館での全日本吹奏楽コンクールの常連であり、金賞受賞校でもある。
どんな演奏を聴かせてくれるのかと思いきや、マイケル・ジャクソン・メドレーやトトロのメドレーなどポピュラーなものを中心でたいそう楽しめた。指揮をしている顧問の先生が途中でMCを行うのだが、その中で部員は総勢180名にも及ぶという。なんか演奏の質、各部員の技量を含め、もうプロの域に近くないかと思えるほど。少なくとも大学、音大レベルに達するのではないかとさえ思えるくらいだった。
これだけレベルの高い演奏はなかなかないなと思いつつも、おそらく180名もの部員がいるとなると、3年間、楽器運びで終わってしまう子なんかもいるのだろうかなどと、無用の想像もしないでもない。
娘の演奏は昼過ぎで、例のパイプオルガン演奏のすぐ後。そのためか各校の昼食時間と重なってしまったためか、客席内は閑古鳥状態。後で娘に聞くと、なんか売れないバンドみたいで嫌だったとか。とはいえ演奏自体はなかなかいい出来だったと思うし、正直参加した学校の中でも一、二を争うくらいだったんじゃないかと、まあ贔屓目半分にしても思った。
後、どうでもいいことだが、このバッハザール、コンサート会場としては最高の環境なのだが、作りとしては山をくり貫いて作ったような場所のため、車椅子でのアクセスはかなりハードルが高い。会場内も段差だらけで、けっこうしんどい思いをした。最高の音環境を優先しているのだから、そのへんをどうのと言ってもいたし方ないのだろうけど。