AOKIでスーツを買う

よくAOKIやコナカ、アオヤマとかのスーツ量販店で早朝割引とかをやっていると聞く。チラシとかを見ると開店までに来店した先着5名に例えば店内39800円までのスーツを9000円でとか、1万円でとかという、あれである。
いったいどういうやつが並んで買っているのか、はたまた何時くらいに行けば先着5名以内に入れるのかどうか。けっこう気になってはいた。
実をいうとこういう先着何名様に○○引きというのに滅法弱い体質である。今までにもいろんなものに並んだことがある。思い出すままに書き出すと、古くはタカキューのセール。ここではコートとかを何着か買ったかな。学生時代の頃だ。ミナミスポーツが横浜ミナトミライのコンベンション・ホールで行った催事。ここではマウンテン・バイクを1万円でゲットした。
この頃は今のようなデフレ、価格破壊とかになっていない時代だったから、そこそこいいものはけっこうした。このマウンテン・バイクも20数年前で4〜5万の代物が1万ジャストだったと覚えている。始発に乗って、会場に5時に着いて5番目だったか。
一番の凄技はというと、今はなき鶴瀬のマツモト電器でのパソコン購入。富士通のノート・パソコン10万相当のものが半額5万だったかで先着10名。ちょっと気になったので前日様子を伺いに行ったら、閉店前だというのにすでに並んでいるつわものがいる。慌てて家に帰り、家族に今日は徹夜で店に並ぶと宣言して、その戦列に加わった。季節は11月、店からダンボールを借りてきて即席のダンボールハウスを作って一夜を過ごした。今思うにあれはなかなか凄かったと思う。しかも確かもう子どもがいた頃だから、40越えていたのだから。
念のため毛布とかも用意していたのだが、さすがに明け方とかはハウスの中で寒さに震えたものだ。学生時代に一度何を思ったか、一週間ほど深夜映画館と野宿だけで一週間を過ごしたことがあった。擬似プータロー生活だ。あれはなかなかにハードな体験だったが、その時の感想では、「俺、この生活一ヶ月続けたら、普通の日常生活に戻れないかもしれない」だった。まあ、それは若気のいたりみたいなものだけど、けっこうそういう経験がこういう時には活かされるみたいなところがあった。
ダンボールハウスの組み立てとかも、けっこう手際良かったもの。ダンボールとガムテープだけでうまいこと、そこそこ居心地良い寝床を作り上げるわけだ。周囲で並んでいた若者とかが見よう見まねで同じようなことをしていたのが面白かった。
この時もパソコンはきっちりゲットした。ウィンドウズ3.1搭載のマシンである。その後ウィンドウズ95を入れなおしたが、立ち上げに3分くらいかかったかな。家の中探せばまだどこかから出てくるかもしれない懐かしいマシンである。
まあそんなこんなで先着○○様の話である。AOKIには開店30分前に行ってみる。駄目元というか、まあ様子見という感じだったのだが、駐車場に車をとめて入り口あたりへ行ってみると・・・、誰もいない。あまりのことに拍子抜けして、とりあえず並ぶ。開店15分前くらいに店員が出てきて、先着割引ですかという聞くので、うなずくとすぐに整理券をくれる。それで近くのコンビニに行って缶コーヒー飲んでちょっとゆっくりしてから開店後の店にいく。お客は数名いるけど疎らである。スーツ屋さんの早朝割引なぞこんなものかというのが率直な感想である。
結局1時間くらい物色して、39800円相当のスーツを9000円で1着購入。さらに29800円のスーツが半額だとかいうのでこちらも購入。さらにコートも特価品で1万切りのものがあったのでそちらも購入。しめて34000円だったか。定価で買えば12万くらいになるはずなので、そこそこお買い得感はあるにはあるが、まあスーツの価格などあまり当てにならない部分もあるし。
とはいえスーツはサラリーマンにとっては消耗品である。年に1〜2回、ちょっと早起きして並んで割安に買うというのもいいかなとも思う。まあ私の場合はというと、ふだんはシャツにジーパンで出勤、そのまま仕事しているから、それこそ会議だのなんだのでもない限りはあまりスーツ着ないからあんまり関係ない。そのうえもうお洒落とかにもあまり気をつかう年齢でもないから。今さらポール・スチュワートだのブルックス・ブラザース、Jプレなんぞを着ようとも思わない。まあ1着くらい紺ブレもっていればそれでいいという感じだからねえ。
それはそれとして今回の教訓は、やっぱり早起きは三文の徳みたいなこともあるやもしれんということ。なんか違うかな。