二つの情報流出に連関はないか

尖閣ビデオ流出で話題騒然となっているが、それで少し立ち消えっぽくなっているけれど、こっちも実は大問題のはずの情報流出が国際テロ関連文書の流出である。
http://www.asahi.com/national/update/1104/TKY201011040494.html
これはこれで大変な問題である。流れからいれば警視庁外事3課の誰かからの流出だろう。情報へのアクセス権限を考えれば、警察官僚しかもかなりの上級職の関与を疑わざるを得ない。意図的にということであれば、この情報漏えいはスパイ小説さながらの複雑さを見せていくかもしれない。ルカレの小説世界さながらの複雑怪奇な情報戦の産物みたいなことに。
でもなんとなくだけど、もっと単純なことなんではないかという気もしないでもない。たぶん少しオッチョコチョイのキャリアの一人がUSBメモリに保存して家に持ち帰りました。そこでお仕事してから、ちょっと一休みして、ネットにつないでエロ画像とか眺めました。そのまま寝ちゃったか、夜食でも食べに離れた隙に、ネット繋ぎっぱなしだったので、そのままファイル共有ソフトとか、あるいはウイルス感染とかで駄々漏れしちゃいましたみたいな。
で、もって警視庁内部ではこの件をどう処理していいかと頭をかかえました。このままいくとキャリア一人の詰め腹だけでは済むわけもなく、場合によっては組織が壊滅的になる恐れもある。こずるい誰かが考えました。もっと衝撃的な情報流出とかが起きれば、なんとなくこの件のことうやむやにできないか。当座、時間を稼ぐことができるだけでいい。
「そういや例の尖閣の件のビデオ、法務省関連から入手してますけど、これって使えませんかね」
「おいおい、それは機密事項だろう」
普通なら入手不可能な機密事項ではあるが、そこはそれ。警視庁公安の外事課である。たいていの情報は入手可能だろう。
民主党政権の弱腰外交には世論の批判も集まっていますし、ビデオ公開を求める声も高いですよ」
「これがうまいこと流れれば、なんとなくうちの件はうやむやにできそうにも思いますが」
「いくらなんでもそれは。実際どうやって」
「新聞社のどこかを使うか」
「いや、もっと簡単な手があります。ネットの動画投稿サイトに・・・・・」
ありえないことだとは思うが、今の官僚たちと民主党政権との関係を考えれば、なんとなくさもありなんみたいな感じで想像できそう。実際、今の官僚たちには、国のためにどうのみたいな意識ないようにも思う。逆に組織防衛のためなら、自分たちの権益なり地位の維持のためなら、なんでもありと思わせる部分もあるのだ。
なんでそう思うかって、例えば今回の流出についていうとなんか行政、官僚側からの責任意識をもった対応、発言とかがほとんど皆無だからだ。一人くらい警視庁公安関係の人間で自殺者とかが出てもおかしくない案件なのである。戦前だったらとっくに腹きっているだろうと思われるのだが、そんな気配なさそうだ。
「危機管理」で有名な佐々さんは、尖閣ビデオ流出についてはさかんに発言しているし、それこそ流出を良かれとするようなこともおっしゃっている。でも自身がいた組織の不始末である対テロ情報流出については、なんとなく歯切れが悪い。まあ役人、役人くずれなんてみんなそんなものだろう。