誕生日

18日は誕生日である。いやはやなんとも54である。子どものときにこの年齢の自分を想定することはまずできなかったと思う。いや子どもの頃どころか、20歳を過ぎた頃であってもこういう年齢の自分へ想像力を働かせることはなかっただろう。
しかし微妙な年齢ではある。今の会社が存続していればという仮定の上でだが、定年まで残り6年である。いちおう雇用延長とかも就業規則上あるにはあるから、うまくすれば残れるかもしれん。いや食っていくためには、家族養っていくためには、ぜがひでも年金が出るまではしのいでいかなくてはならない。老後の楽しみだの、余生だのというのは夢の夢な状況だ。
こういう年齢になると、みょうにしみじみした感慨を持ったりもしたくなる。とはいえまだまだ枯れることもままならない。生活がある。妻の介護のこともある。子どもも一人立ちするまではどんなに頑張っても後10年は必要なのだ。そうなると日々しのいでいくためには、あがき続けるしかないのである。なにも変わらない。
とにもかくにも健康であり続けること。自分と家族が健康で1日、1日を送っていくこと。それだけを祈りつつみたいな感じである。
この日は池袋で古い友人と酒を飲んだ。プレゼントには、なんでもいい、選ぶのがしんどければ、ネクタイとかでもとリクエストしておいた。もらったのはブルックス・ブラザースのもの。まあまあ気のきいたプレゼントではあった。20年以上昔にはこのブランドのネクタイを年に数本、自分へのご褒美としょうして買っていたこともある。女友達からもずいぶんもらった。輝かしき栄光のアイテムの一つでもある。
ほろ酔い気分で深夜に帰宅。考えてみればこの日は誕生日でもありつつ、実は結婚記念日でもあることを思い出す。