サプライズ2〜川口能活代表入り

サッカー日本代表メンバーの発表はある意味なんも期待していなかったから、実はどうでも良かった。実際ニュースでも谷亮子の出馬を横目で眺めながら、そのままジムへ行ってしまったくらいだ。ほんでもってランニング・マシーン使っている時に、マシンについている小さなテレビでようやく確認した。
最初、それが代表入りのニュースとは思えなかった。なぜか、最近ほとんど見ていない能活がインタビューに答えている姿が大写しされていたから。
正直その時思ったのは、川口引退かみたいなことだった。「おいおい、能活よりにもよって代表発表の日にわざわざ引退発表しないでも」というのが感想。それがなんと代表入りだというではないか。理由は経験、精神的支柱としてみたいなことらしいのである。
しかし川口は最近ほとんどゲームに出ていないではないか。なんでも骨折で長期離脱していたということだが、そのへんの情報全然知らなかった。だから最近は川口はジュビロ首になってJ2あたりで細々やっているのかなくらいに思っていた。ほとんど「あの人は今」みたいな感じだった。それがいきなり代表入りである。
しかしいくらこれまでの実績があるとはいえ、この人選はないだろうと思う。これって現在Jリーグで毎試合ゲームに出ている各チームのGKに対する冒涜に近いだろう。候補だった西川が可哀想すぎるではないか。この人選はほとんどカズや中山を代表に選ぶのと同じ感覚である。だから、だから岡田は駄目なんだと思う。
岡田の定見のなさ、チームプラン、ゲームプランがないことはこれまでも様々な局面で証明されている。小器用で玉捌きがそこそこできて、運動量が比較的多いチビッコプレイヤーを揃えるのが好き。身体能力がある選手や一芸に秀でた選手とかはあまり好まない。90分続ける体力がないのに、プレッシング・サッカーへの幻想がありすぎる。いつも後半息切れして失点するのに同じゲームプランで望む。選手交代で何をしようとするのか、そういう意図性がない。まあこの辺のことはサッカー好きの間ではあまりにも一般的だろう。あまり新しい意見なんて一つもない。
そして今回、たぶんそうだろうとは思っていたけど、やっぱりジュビロの前田やセレッソの香川を落とした。リーグで活躍しているのにだよ。これではJの選手はリーグで真剣にプレーすることを重要視しなくなるだろう。みんなとにかくスポンサー探して、海外に移籍して、適当にくすぶって、CMだけは一生懸命出演して、みたいなことを繰り返すんだろう。選手としてプレーに真剣に取り組まなくなるということだ。サッカー選手はとにかく試合に出て活躍してなんぼのはずなのだが、ある時期からプレイすることよりあちこち旅して回るほうが銭になるようになってしまったと、まあ極論すればそういうことなんだろうな。
しかしどうしてこう同じようなタイプばっかり選ぶか。FWもチビッコの玉田、岡崎、大久保。それに今期1点もとっていない矢野だもの。彼にポストプレーヤーができるのかどうか。ポストプイヤー、ウィングタイプとかもっと特徴生かした選出ができなかったのか。同じようにMFもそうだ。そもそも選手の運動量を重視するチーム戦術で中村俊輔はないようにも思うし。
そしてこのチー、ムの一番の問題点はたぶん守備の職人みたいな選手が一人もいないということだろう。中盤で守備専門にやる選手、オシムジャパン時代でいえば鈴木みたいなタイプ、かってのフランス代表のマケレレ、かってのセレソンドゥンガなどなど。中盤のセントラルプレイヤーが遠藤、長谷部でいいのか、二人とも攻撃力が特徴なのに。
ワールドカップで戦う相手はすべて日本より格上なのである。オランダのように超がつく格上チームもあるのである。そんな相手と戦うゲームプランはとにかく守備的に守備的にである。点のとれる機会は1〜2回あるかないか、そういうゲームばかりのはずだ。とにかく守りに守って、0-0引き分け、0-1負け、運良く1試合1-0で勝てればみたいなそういう試合の連続のはずなのである。誰が守備をするのか、守備のリーダーシップは誰がするのか。
中盤で守備のスペシャリスト、今野がいるじゃないかって。彼をボランチで何回使った。そういうことなら彼をボランチで使い続けるべきだったはずだし。今のチームで今野や阿部は守備のサブ要員でしかない。CFもサイドバックも場合によってはボランチもみたいな感じか。
本来ならまず守備の職人をレギュラーに据えて、そこからチームを作っていくべきだったんだけど。まあいいや、岡田ジャパンに今さら何一つとして期待するものはないから。今回のワールドカップほど胸ときめかないものはないなというくらいに興味を覚えない、情熱がない、そういう感じだ。引越し以来つけていないBSのアンテナをワールドカップに合わせて設置しようかと思っていたのだが、とりあえず今回もパスしそうだ。
これまでワールドカップになると有力な試合のほとんどをビデオ録画してきた。一番古いのはスペイン大会あたりからのものだってある。サッカー系ビデオも実は100本以上あるにはあるのだ。本来なら今回の大会に合わせて最新式のDVD録画機でも購入して万全の体制にするはずだったのに。どうにもその情熱がないのである。総ては岡田のぶっちょう面のせいである。何一つとして希望を見出せない代表のおかげでなのである。
そういう意味ではほとんど興味を失せていたサッカー代表にちょっとだけ注意を向ける、そしてこんな風にぐだぐだと書いたりするきっかけとして、能活の選出は少しだけサプライズだったかもしれない。