ロシアワールドカップ

 ロシアワールドカップが始まっている。すでに一次リーグの戦いは一戦から二戦目に向かうというところにある。開催国ロシアが順調に勝ち、ポルトガルとスペインという強豪国同士の試合は、3対3という点取り合戦になった。メッシとともに異次元のスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウドが早々にハットトリックを決めた。
 優勝候補の中ではアルゼンチンがアイスランドというアウトサイダーと引き分けた。今大会こそ彼の大会となって欲しいと願うメッシは相変わらず、ワールドカップでだけは活躍できないままで、この試合でもPKを止められるという失態を犯している。
 さらには前回の覇者、絶対王者のドイツが古豪メキシコに破れるという波乱があった。メキシコは毎回善戦する。身体的には小柄な選手が多いが、豊富な運動量と堅実で統率の取れた守備を基本に細かいパスワークから攻撃を組み立てる。そして今回のチームにはさらに素晴らしいスピードがある。攻撃は前の三人だけでありながら、抜群のテクニックとスピードで一気に相手ゴールに迫る速攻という武器がある。
 身体能力、組織力、テクニックを兼ね備えたドイツに対して徹底的に守備を固め、ボール奪取となると一気に攻め上がりドイツゴールを脅かす。その中から見事に生まれた一点を守りきった。常勝ドイツにほぼ完勝した。これは断じてジャイアント・キリングではない。このチームは強いと思わせる。
 ただこの試合を見た限りではこのチームは、コンディションが最高のレベルにある。まさにドイツとの初戦のためにきっちり仕上げてきた感じだ。しかしワールドカップは長丁場だ。予選リーグでは負けない試合を行い、決勝トーナメントに合わせじょじょにコンディションをあげていく。そうしたチームが決勝にたどり着くのだが、早い時期に最高のコンディションにもってきたチームはじょじょに失速する可能性がある。ただメキシコは素晴らしいチームであり、素晴らしい試合を行っている。できれば長く見ていたいチームだとは思った。
 その他では昔から贔屓にしているイングランドがロスタイムでの決勝点でチュジニアに辛勝した。今回のイングランドは若いチームでチームの平均年齢は26歳台だという。しかもプレミアで4年連続20点以上をあげている若きストライカーにして絶対的エース、ハリー・ケイン率いるチームだ。24歳のフォワードはこのチームのキャプテンを任されてもいる。この試合の2点も彼があげたもの。チームでも絶大なる信頼感を得ている感じがする。ひょっとすると彼の大会になる可能性もあるが、どちらかというと若さがマイナスな方向にいってしまう可能性もある。さらにいえばもしこのチームで彼が怪我や出場停止となった時に代わりの人間がいないのではと思ったりもする。
 イングランドがこの大会で躍動するのを願っているが、若いチームだけに4年後が楽しみでもある。もっとも4年後、自分がサッカーを観れる環境にいるか、そもそもこの世界にいるのかどうか。微妙ではある。