ファンタズミック!

さらに第1日目の続き。カルフォルニア・アドベンチャーを出て真向かいのディズニーランド・パークに戻る。疲れ、睡眠不動、1日中動き回っているというのにうちの家族テンパリっぱなし。特に私なぞずっと車椅子押しているし、緊張している部分や、言葉しゃべれないのに現地の人々の凄い早口の英語攻撃(のように聞こえる)矢面にたっていることでの心労、いろいろあるはずなのに、それでもこれでもかこれでもかという次のアトラクション、次のショーみたいな感じ。
早い話、徹底的な貧乏性なのですよね。とにかく高い金出して(格安ツアーなんですけど)、海を渡ってきたのだから、この先たぶん二度はないかもしれないのだから、とにかく元取りたい。モチベーションはそれのみっつう感じ。結局幾つになってもこの貧乏性は虎の縞のごとく洗っても落ちないわけ。余裕のある落ち着いた大人の人生なんて無理なんだろうな。
そしていよいよファンタズミックなのである。いろいろサイトをググっても、ガイドに聞いても、みんな口を揃えて言う。「おススメはファンタズミック!です」と。実際こんなことまで言われた。
アナハイムのディズニーランド行ってもほとんど舞浜と同じですから拍子抜けすると思いますよ。唯一見る価値のあるのは、そうですねファンズミックくらいかな」
その最も人気があるショーなのである。内容的にはフロンティア・ランドからクリッター・カントリーにかけてのアメリカ川を舞台にした光と水と火を大々的につかったショーなのだとか。なんとなく舞浜のシーで何度か見たことのあるその手のものみたいな感じでとらえていて、あんまり感動したりとか楽しんだりしたことがなかったので、正直あんまり期待はしていなかった。
ディズニーランドに入ると、夜7時台なんですが人がやたら多い。へたすると日中より遥かに多い感じ。今思うにこの人たちはみんなファンタズミック目当ての人たちなんでした。でももう遅すぎる。ショーは確か8時だか8時半あたりから上演されるのだけど、もうアメリカ川の周囲は人人人。ショーは川の対岸で行われるので、背伸びしてもほとんど人垣越にかすかに見えるかどうかみたいな状態。こりゃ失敗だったかなと思った。いくらなんでも上演30分前くらいに来ては甘すぎるのだろうとも。
この日ファンタズミックは8時台と10時半からの2回上演されることになっていたので、こりゃ諦めて次回にするかとも思った。それでふと見るとロープが張ってある一角に車椅子マークがある。ロープの向こう側は川岸に帯状になっていて車椅子の方とその家族というか随行者がけっこうびっしりいる。ロープの脇にキャストがいたのでなんとか近くへ行くと、キャストが見たいか的な一瞥くれるので、「イエス」的にうなずくと中へ入れてくれる。ラッキーなのである。それで細い隙間をなんとか妻の車椅子を押していける所までいき、どうにか前列二番目くらいのところにスペースを確保した。
最前列にヒスパニック系の奥さんが車椅子に座っていて、たぶんそのうちの子どもが二人横に立っている。だんなさんとその親戚みたいな感じのご一行はやや後ろにいる。けっこう大家族みたいである。妻は立っている子どもたちの後ろで見るような感じだったのだが、だんなさんが子どもたちをまず座らせて、さらに車椅子の奥さんよりに少しつめるように言って妻がよく見れるようにしてくれた。けっこう親切なのである。ただ正面に街灯が一本立っていてそれが視界を若干遮るのだけど、それでも上演間際でこんなに前で見れるのは望外の幸福なんだろうとも思った。
ショーは想像以上に素晴らしかった。特に水をふんだんに使って、連続して噴出すような噴水が水のスクリーンとなり、そこにアニメーション映す技術には度肝を抜かれた。ショー展開も最初にミッキーの登場、それから水に映し出されるアニメで有名な映画のシーン、例えば「ファンタジア」の魔法使いの弟子とか、「くまのプーさん」のズォーとヒイタチのダンスなどが映し出される。
途中で帆船コロンビア号が川をゆっくり右から左に進んでくる。船の上では@ピーターパンとフック船長の活劇が繰り広げられて。
 その後はダークナイトのようにディズニーアニメの悪役たちが登場してくる。最後に魔女が正体を現わしたかのように巨大な竜が登場し、着ぐるみのミッキーがそれをやっつけて大団円にてな感じか。確かにこれは面白いわと素直に感服。さすがに本場というかショーも洗練されているし、スペクタクルというのかなその部分も凄いなと思った。
ショーが終わると帰る人たちで大混雑。そこに花火が始まって。またその花火が音楽を伴っていて、なんというか物語性があるというか、ショーアップされているような印象。普通の打ち上げ花火とはちょっと違うのね。私も妻も娘もあんぐり口開けて天上で展開される光のショーを呆けて観ていた。すると花火よりも移動、あるいは帰りを急いでいる人たちもけっこういるようで、「レフト!」左によれみたいな感じでどなられてしまった。U事工事のギャグがこの人たちに通じたら、ひたすら「ゴメンネ、ゴメンネー」というところなのだが。
あんまりファンタズミックが面白かったので、その後妻と娘にどうすると聞くと、当然のようにもう一度観たいという。そこですぐに今観ていた車椅子スペースに引き返した。すでに他にも車椅子のご一行がいたけど、今度はこっちも一番よく見えそうなスペースを確保できた。そして10時半からの第2回目の上演も十分に楽しめた。やっぱりこのショーはすごいわ。


ファンタズミックはユーチューブでもけっこうアップされている。音とかが鮮明でなおかつ肉眼だとよく見えないミッキーの動きとかよくわかる動画はこれ。ただしこちらは正面から撮ったからなんだろうな、水に映し出されるアニメはあんまりよくは映っていない。

それに対してやや遠めから撮影したものだけど、アニメが綺麗にとれているのがこっちかな。これはパート1、パート2にわかれているけど。