ディズニーランド第1日目

いよいよディズニーランドの実質第1日目。2デー・パークホッパーにはディズニーランド・パーク(以下DLP)に一般開園よりも1時間早く入園できる特典がついている。その該当日が翌日20日の日曜日になっている。20日の開園は通常9時なので8時からということになる。そうなると20日DLP中心でということで、この日はカルフォルニア・アドベンチャー(以下CA)をメインにすることにした。
だたしCAのオープンは10時なのに対してDLPは土曜日は8時から営業するのである。となると朝早いうちにDLPに行き、人気があってしかも舞浜(以下TDL)にはないアトラクションを一つ二つ乗れないかなどと、アバウトに予定をたててみた。などといいつつもやはり前日のハードな日程とか時差とかのこともあり、ぜんぜん早起きできない。かろうじて私が7時に目を覚まして家族を起こすことになる。ある意味旅行中一番てんぱっていたのは私だったのかもしれん。それでいつもの我が家のパターンで朝はぐずぐず、のんびりペースで、ホテルを出たのは9時近く、全然早くない。のんびりダウンタウン・ディズニーをぶらぶらと歩く。
面白いのは一度ダウンタウン・ディズニーから出るときに出口があり、そこでセキュリティ・チェックを受ける。ダウンタウン・ディズニーはある意味園内という設定になるかな。それからDLPあるいはCAの入場口に進むという、まあそういう設定になるわけだ。
そして夢にまでみた本家ディズニーランドへということになる。まあ私のような子どもの頃に日テレで放映していたディズニーランドを観ていた世代にとっては、まさしくここは夢の聖地みたいな場所なわけ。TDLが出来た何度も通うようになると、あの夢の場所が日本に出来たことに素直に喜びつつも、どこかギミックのような感覚を持った。例えばパレードとかで洋装している日本人を観ていると、なんつうか大地真央とか宝田明のミュージカル「風と共に去りぬ」バイ日生劇場みたいな感覚である。わかるかな〜。
まあそれはそれとしてとりあえずご対面したのがウォルト&ミッキーの銅像。感動である。人生50年かけてようやくここにたどり着いたぜ、みたいな感慨もないではないが、やっぱりディズニーランドといえばこれなのである。

その後は屋台みたいな感じで売っているクロワッサンとアイス・ラテの朝食。けっこう美味いけど、しかし昨日もそうだがろくなもん食ってないな。それからおもむろに第一の目的であるファインディング・ニモ・サブマリン・ボヤッジへとトモローランドへ向かう。これは比較的新しいアトラクションであること、ファストパスがないことからかなり混むだろうと思い、出来れば午前中の空いているうちに行こうと考えた。
着いてみると少し人が並んでいる。待ち時間は15分の表示。OKと並ぼうとすると、車椅子の妻を見るとキャストがお前らはあっちへ行けと指示する。見ると出口の方に車椅子マーク。それで恐る恐る進んでいくと、別のキャストがいてお前らちょっと待ってろという感じ。それからペラペラと英語でまくしたてる。たぶんだが、お前は車椅子から降りて歩いて潜水艦に乗れるかみたいなことを聞いてきている模様。そこでこれだけは覚えておいたセリフ「She can walk by using a stick if she is a small distance.」みたいなことをたどたどしく話すと、キャストは「OK」と行ってしまう。気がつくと我々の後にも車椅子組がついている。
それからほとんど待つこともなく潜水艦に入場、妻は手摺につかまりゆっくり艦内に入った。後ろから一般客が待っているのだけど、全然ノープロブレム。大丈夫、ゆっくりでいいから気をつけて乗りなよみたいな視線くれる。全体として二日間、園内でのお客さんの我々、言葉通じない、車椅子家族に対するお客さんの視線というか、もろもろはだいたいあったかい感じだったかな。唯一、夜花火で混雑しているときにヒスパニック系のお客さんが、お前らジャマみたいなにどなってきたことが一度だけあったけど。
そしてキャストなんだけど、基本的に過剰サービスな対応はなし。必要不可欠のことを的確にやっていますみたいな感じ。言葉がわからない分、こっちからするとやや高ピーな感じに思えるけど、普通に親切な対応なんだろうな。TDLのキャストのような私たちも夢を皆様に与えるために努力してま〜すみたいな感じは一切なかったかな。
そんでもってニモだけど、まあ普通に面白かった。舞浜のシーにある海底二万里と割りと似た設定だけど、あっちは確か実際には水の中潜ってないんじゃなかったっけ。それに対してこっちは実際に潜水艦でもぐっている。あとはコンテンツが基本ニモだから夢があるというか、まあホンワカした設定。短い時間に映画とほぼ同じ内容を水中で見学できるような設定になっていた.

車椅子ということで普通に優先入場できたので正直ちょっと面食らった部分がある。本場DLPでは障害者に対してなにか便宜を図ってくれるものがあるのだろうかといろいろ調べてもあまりヒットするものもなかった。TDLでやっているようなゲスト・アシスト・サービスみたいなものがあるのか、でも言葉が通じないとうまく利用できないのではないかといろいろ心配だったのだが、なんかそのへんか杞憂だったのかなとも思った。
次にとりあえず普通にイッツ・スモール・ワールドへ行ってみると、ここでも車椅子は一般客とは違う、出口付近から入場して優先的に乗せてもらえた。その後、とりあえず短時間にカリブの海賊、ジャングル・クルーズと行ってみたのだがどこも一緒。まったく待つこともなく優先してもらえる。なんかすごくないかDLPという感じだ。
一応この日は土曜日でたぶんウィークディよりは混んでいるのだろうが、午前中は本当にまばらな状態。だいたいファストパス対象のマッターホルンボブスレーとかスプラッシュ・マウンテンとかでも待ち時間が15分とか20分くらいである。来るときにHISのスタッフが言っていたっけ。「ディズニーランド、けっこう空いていますよ、園内で走っているのは髪の毛が黒い奴ばかりですから。日本人や韓国、中国系とか。まあ最近は茶髪も多いですけど」てなことを。実際、アトラクション乗るために走っているなんて本当に少ない。
しかしこんなに車椅子というか障害者を優先していたら、ズルしたり、障害者のふりしてみたいなことはないんだろうかとちょっと心配もする。と園内でやたら見かけるのが車椅子というより電動のカート。それに乗って自走しているのが明らかに単なるオデブさんばかり。そういえばロス市内観光中にHISのガイドがすごいこと言っていたっけ。
「こっちでは金持ちは痩せています。ブルーカラーになるとかなりデブが多くなります。そして貧乏人はもっとデブが多かったりもします。彼らは高カロリーのファストフードばかり食べているから。金持ちは金かけてカロリー制限したり、ジム通ったり出来ますけど、貧乏人はたた太るだけです」
「ディズニーランド行かれたら驚きますよ。デブばかりですから。それでもってデブは歩くのが難儀ですから、みんな電動カート借りて動き回ってます。だから車椅子の人なんかにはとても寛容ですよ」
実際園内をうろうろしてみると、本当にガイドの言ったとおりなのである。おまけに車椅子のゲートとして出口から入場して待っていると、電動カートを利用しているおデブさんたちもけっこう同じようにやってくるのである。明らかにただのデブにしか見えない。いやもっといろいろ病気をおもちの方かもしれない。でもそういうことに鷹揚というか寛容というか、なんかそんな感じなのである。障害であれ、デブであれ、歩くのに不自由なのは同じ。一々それを詮索するのは品のないことみたいな考え方が徹底されているのかなとも思った。
後で調べてことだが、アメリカでは障害者の公民権法ともいうべきアメリカ障害者法が施行されていて、それにより障害者への支援的措置が比較的社会に定着しているのだという。
そしてここが一番の問題なんだろうが、障害者への優先措置を不正利用することに対しての許容性みたいな部分が日本とアメリカでは大きく異なるのではないかということ。ここDLPでそういうものがあるのかどうかわからないけど、オーランドのディズニーワールドではホワイトカードという、障害者がアトラクション等に優先的に利用できるカードが簡単な手続きにより発行されているらしい。
同じシステムが実はTDLでもシーがオープンした当時に導入されたことがあったのだとか。しかし不正利用が後を絶たなかったため、わずか2年足らずで廃止されてしまい、現在のゲスト・アシストカードのシステムに変更なったという。何回か利用したことがあるが、列に並ばなくてもいいけど2時間待ちならば2時間後にきなさいというやつである。このへんのことはこちらのサイトが詳しいです。
ゲストアシスタンスカード
しかし不正利用というが、ほんとうにとんでもないような件数だったのだろうか。どうにも私にはこと福祉についていうと、利用に対する不正とかそのへんが誇張されている部分もなきにしもという感じをもたないわけでもない。生活保護とかでもよくヤーさんが生活保護受けながら遊興三昧しているとかの話がやたら出てくる。だから水際で厳密な資格審査をしなければならないみたいな話になっていって、実際に保護を必要とする人たちがパージされていくみたいな話だ。
不正利用とかのパーセンテージと本来享受されなければならない人たちに支給なりがされないパーセンテージ、どっちが多大な影響を与えているかとかがたぶんきちんと検証されていないようにも思う。ただし払わないための論理として不正利用の事由が必要以上に喧伝されるということもあるのではないかとも思う。
TDLでの不正利用の実態というのはどのくらいだったのだろうか。オリエンタル・ランドはそのへんを一切公表しないだろうからなんともいえない。もしも不正利用が膨大な件数に及ぶとすれば、それは日本社会のモラリティの問題でもあるだろう。しかし実態はそれほどのことではなかったのに過剰反応した、あるいは本来あまり障害者への優遇措置を行いたくない企業論理が過大に反応したとか、たぶんそういうことではないかと思う。
ここアメリカのDLPでの雰囲気を見ていると、もっと鷹揚に構えてもいいのではないかという気もする。だってただのデブ(のように見える)であっても普通に電動カートに乗っていれば優先されてしまう。それを咎めるような雰囲気が皆無なのだから。
ただしTDLとここの完全なる違いが一つあるとすれば、ここは明らかにTDLよりも狭いはずなのにゆったりとしている。ようはそれほど混んでいないということだ。2日間の短い経験だったけど、30分待ち以上という案内をほとんど見たことがない。唯一CAのパラダイス・ピアの観覧車で閉演1時間前くらいのところで、45分待ちという案内を見たくらいだ。ようは空いているということ。それを思うとTDLのあのやれ90分待ちだの120分待ちとかファストパスを取るのにも行列並んで、ポップコーン買うのにも15分以上並んでというのがあまりにも異常だということなんだろう。
あの過剰なまでの混雑のために障害者への優先措置などとっていられないというのがオリエンタル・ランドの本音なのかもしれない。また利用者の側でも本来120分待ちを、待たずに優先してもらえる魔法のカードだったら、ちょっとズルして申請しちゃおう、どうせ皆やっていることだから、ばれなきゃいいでしょう、みたいな感じなんだろう。あの異常な混雑がすべての問題なのかもしれないな。
もちろん今回のように優先してもらえることを正直有難いとは思ったけど、それを当然の権利のように振り回すほど傲慢なこと考えているわけでも。ただしせっかくアメリカまで頑張ってやってきて、優先的な対応していただけるというある種の制度があるのだから、やっぱり目一杯利用したいなとも思うわけで。まあ朝から晩まで頑張っていろいろなアトラクション楽しませてもらった。
とりあえず初日に楽しんだもの・
DLP

<CA>

娘のみ、ファストパス利用。

娘のみ、10分待ちだった。
DLP

連荘!!

  • ザ・メニー・アドベンチャー・オブ・ウィーニー・ザ・プー

初日は以上でした、DLP、CA、DLPとはしごにして、ほぼ11時半頃に園内を出た。またまたダウンタウン・ディズニーの土産物屋に入って、こりずにいろいろ購入。今回は伝家の宝刀カード払いを試してみたらパスポート提示を要求された。