ジム通いの効能は?

3月の中旬から通い始めたジムなんだが、とりあえず通算で17回通っている。だいたい2日に1回のペースか。まあ続いているほうなんだろう。ただしその効能はというと、今のところほとんどなさそう。体重はわずかなところだがだいたい1.5キロくらい減った。でもこれて一食か二食抜いたらとりあえずこのくらい減る・・・・みたいな感じだろう。ほんでもって腹回りについていえば、今のところ本当に変化はない。
とはいえ2日に1回それも2時間くらい体動かした程度のことだから、それで激変みたいなことがあったら、そっちのほうがおかしいというところだろうか。体の痛みはどうかというと、足は相変わらず痛む。エアロバイクを30分程度やり、ランニングマシンで20分程度。マシン系も少しやる程度なのだが、終わって風呂に入る頃には足がパンパンの状態。家に帰ってもどうにかすると足がつりそうになる。普通なら体が慣れてきてだんだんと痛みがなくなりそうなものなのに。やっぱりこういうところが年齢というものなんだろうか。
それでもこの有酸素運動はとにかく気に入っている。ツーリングコースというので、ホノルルの100キロコースにトライしている。すでに2回ゴールしている。3回目もあと15キロ程度になっている。記録のほうも1回と2回では10分近くタイムを短縮した。3回目も今のところ2分近く良いタイムを出している。こういうのはけっこうモチベーションになるな。
腹筋はというともう痛みはほとんどない。最初の頃は毎日50回でヒーヒーいっていたのだが、今は連続100回とかもとりあえず問題なくできる。家に帰ってからも50回程度やったりもするけど、もはや痛みはまったくない。でもその効果はというとまったく皆無だな。腹に力を入れるとやや硬くなるような気もしないでもないけど、腹の脂肪自体は相変わらずだ。なんかこのまま相撲とりみたいに腹でたまんまで、力入れるとカチカチになるみたいなことにならないだろうか。
とにかく五十路を回った老体であり、しかもここ数十年スポーツと名のつくことは一切やってきてはいない。その割にはけっこう体がついていっているのではないかと、そんな見方もできないか。ある種の自己満足かもしれないが、けっこう基礎体力あるほうなのかもしれないなとも思う。あと2年前に煙草やめたのも大きいのだろうな。もしやめてなかったら、ちょっとの運動でもゼイゼイいっていただろう。だいたいのところ一月だって続かなかったかもしれん。
もう一つ今回のジム通いがとりあえず続いている理由の一つは、なんといってもアイポッドがあるからというのが大きいな。通勤時間5分の生活になってからというもの、本も読めんし、通勤時間で音楽を聴くということもなくなったしまった。アイポッドも実はほとんど使っていなかったのだよ。それが今回のなんちゃってエクササイズにあたっては、ずっとBGMとしてアイポッドを使っている。これがいいのだよ。とりあえず体動かしながら、音楽を聴いている。少なくともその間は自分だけの時間みたいな感じで、周囲から断絶している。これがいいんだな。
おまけにアイポッドはまさしくこういうエクササイズとかを想定した作りになっているのだろう、音とびとかも一切ない。周囲を見渡せば、7割方の利用者がイヤホンしながら体動かしている。簡単に自分の世界に入れるというわけなんだな。
ちなみにエクササイズに向く音楽と向かない音楽というのは当然ある。村上春樹は走るときに聴く音楽についてこんな風に語っている。

走るときにはだいたいはロック・ミュージックを聴いている。たまにジャズを聴くこともある。しかしは知るリズムにあわせることを考えると、伴奏音楽としてはロックがいちばん好ましいような気がするレッド・ホット・チリ・ペッパーズやら、ゴリラズやら、ベックやら、あるいはクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルビーチ・ボーイズといった古い音楽。できるだけシンプルなリズムのものが好ましい。
『走ることについて語るときに僕の語ること』(文芸春秋

まさしく同感である。ジャズはエクササイズには向かないね。とくに4ビート系。さらにいえばしんみりバラードやらブルース系も駄目。所謂一つのモダン・ジャズ、ハードバップ系はだいたいのところ今ひとつだと思う。ミディアム・テンポのものだとまあまあいけるものもあるのかもしれない。エアロバイクやランニングマシンをやっている時で伴奏音楽として気に入ったジャズというとチェット・ベーカーの「singin'in the midnight』に入っていた「SEA BREEZE」という曲はけっこうはまったかな。クルージングをイメージしたようなミディアム・テンポの曲だがこれは体動かしているときのBGMとしてはけっこうつかえる。
たぶんフュージョン系はいけるのかもしれない。今利用しているシャッフルに入っているのはグルーブ・ホルムズのオルガン系やビリー・ウーテンのバイブといったファンキー系が中心。これはいいことはいいのだが、ちょっとあきが来るようにも思える。今度「リターン・トゥ・フォーエバー」とかを試してみようかな。
ポップス系はというと私のシャッフルにはとにかく山下達郎とか竹内まりやとかがけっこう入っているけど、これもじょじょにしんどくなっている。あとサンボ・マスターも最初は良かったけど、やっぱりあきがくる。ランニング・マシンで残り5分のヘロヘロ状態のときに山口隆のがなり声はちょっとつらいかな。
逆にもう初手からつらいのが、演歌・・・・・じゃなくて、ヒップ・ホップ系。あのゆるいタテノリ系の「ヨーヨー」とか「イェイ、イェエー」とかはもう絶対駄目だな。村上春樹ではないけど、古い単調なリズムのロック系はだいたいOKだ。でもなぜかビートルズはちょっとしっくりこない。レッチリは試したけど、今ひとつだったかな。今、比較的よく聴いているのはTOTOとか。たぶんウェスト・コースト系のロックはみんないける。
最後に意外とはまるのがパフューム。あの単調な打ち込み系のリズムが心地よく、単調なランニングとかペダルこぎにあうのである。たぶんテクノ系はみんないけそうな気がするな。YMOとか引っ張り出してアイポッドにおとしてみようかしら。
しかし五十がらみのジイサンがジムで必死こいて汗流している。で、聴いているのがパフュームなんて、相当に変だな。イヤホンはずれて音モレとかするとかなり恥ずかしいことになるのだろうか。