気がつけば映画ばかり観ている

ここのところ映画ばかり観ている。本はほとんど読めていない。通勤時間5分の弊害かな。やはり読書はなんだかんだいいながら通勤時間をつかっていたのだろう。さすがに暇になったとはいえ定時で帰ることは月に1〜2回あるかないかだろうけど、本当に定時で帰ると家には5時半前に着く。1時間程度居残りしても7時前に余裕で帰れるわけだ。それから夕食とかを作っても7時台に家族で飯が食べれる。こんな生活は長い人生の中でもほとんど始めての経験だ。
そうなると自由なる時間もあるのではないかというと、これが意外に少ない。食事を終えると食器を洗って片付ける。それから取り込んだ洗濯物をたたんだりとか、まあ普通に家事をして、明日の準備とかをして・・・・・。なにもないと9時とか10時に自分の部屋に上がる。パソコンをつけるか、ぼーっと音楽を聴いているか、映画をDVDで観るかとなる。本はというとほとんど集中できない。ハードな内容のものだけでなく、ライトなもの、エンターテイメント系であっても集中できない。本はほとんど睡眠薬みたいな感じであっとういう間に転寝してしまう。それで次に目を覚ますのは1時とか2時とか、慌てて寝床に入ってみたいな、まあそんな感じなわけだ。
それでは映画はというと、なんとか2時間程度だともつ。それほど集中してというわけでもないが、観通すことはできる。もっとも観てる映画のほとんどがお気楽系なものばかりで、最近はヘビーなものは観ない。フェリーニだのゴダールだの、あるいはタルコフスキーみたいなハードなものは一切観ない。たぶん観始めても確実に30分以内に寝入ってしまうだろう。
もう歳なんだろうかな。持続力も集中力もない。だからというわけでもないのだが、お気楽系の映画ばかり観続けている。わずか数時間の私の時間ということ。まあそれでも良しとしなくてはとも思う。中々そういう時間すら得ることができずに悪戦苦闘したり、端から諦めている人たちだって沢山いるのだから。
映画は週に一回TUTAYAで5本程度借りてくる。1本が妻用、1本が娘用。残り3本が私用。そのうち1〜2本を観て、後の1本は焼いたまま本棚のどこかに。なんかそんなことをずっと続けている。さらにここのところは週末に家族でワカバウォークで映画を観る機会も増えている。いいことなんじゃないのかな、とも思う。かって映画に関していえば、我が心の師ともいうべき淀川長治さんが確かこんなことをよくテレビで語っていました。「ハイ、月に2本は新しい映画観なくてはだめですよ」。
なかなかそんな風に映画と関われることはできないまま人生を過ごしてきてしまった。私の人生で月に2〜3本新しい映画を観ていたのは、たぶん20代のどこかで、ほんお1〜2年のことだったかもしれない。今のように月に1〜2回劇場に足を運ぶようになって、とはいえこれは夏くらいからだから一時的なことかもしれないけど、それとは別にDVDを観るという形で日々映画を観ることができるというのはちょっとした小さな幸福なのかもしれないなとも思う。