ガソリン税復活

ガソリン税等の暫定税率が復活して5月からガソリンが一斉に値上げとなっています。ガソリンスタンドの価格を見ているとだいたい155円近辺のようです。セルフで153円なんていうのも見たような。
実をいうと5月に入ってからは一度も給油していません。淡路から帰ってきた日の朝に入れたっきり。なんというかもうしばらくは遠出控えようとも思っていますし、とりあえずガソリン安い4月のうちに旅行しておいてよかったわ。実際あの旅行では4回くらい給油してたから5月以降の価格との差額のことを考えると少し眩暈がしてくる。
今後もガソリン代は原油高の影響とかもあるから値上げの一途をたどるとの報道もあります。時機に160円台になるということのようですし、実際どこまで上がっていくのでしょう。リッター200円時代到来も現実的な話としてでてきているとか、いないとか。
しかしこれだけガソリン代が高騰するとなるとその影響がいろいろな側面ででてくるのだろうと素人考えでも思います。まずいろいろ報道もされていますが、一世帯あたりの車の保有台数が多く、車の利用頻度の高い地方の生活への影響。次にはガソリンの値上げ分がたぶん流通コスト、物流コストに跳ね上がってくるわけだから、商品の価格にも当然影響してくるでしょう。総じて物価が上昇するということですね。ただでさえ小麦とかトウモロコシなど原材料の高騰は物価に影響を与えています。ここんとこの様々な商品が値上げされているわけで、それにガソリンの高騰が輪をかけるということなるわけです。
そうなると消費者は様々な買い控えを行うでしょうし、都市部では車の利用も制限していくことになるでしょう。ということは消費が落ち込むことにもなるわけで、素人目にも景気は悪くなるわ、物価は上昇するわという、例のスタグフレーション状態になるのではと思うわけです。
景気の落ち込み、まあ不況になれば当然税収も落ち込むわけで大幅な歳入欠陥が生じる可能性もあるのではないかと思います。今回のガソリンの暫定税率復活を推進した与党と国交省等の言い分は、このままガソリン税を廃止した場合は、大幅な歳入欠陥が出るということがある意味一番の理由でもあったわけです。しかしガソリン税復活させても、ただでさえ景気後退側面なわけですから、それに追い討ちをかけて不況になってしまっては、結果として歳入欠陥が生じる可能性もけっこう大きいと思うわけです。
ここは一丁景気対策としてガソリンの暫定税率を当面据え置くというのも手ではなかったのかなという思いが強くあります。同じようなことを考えた御仁がいらっしゃらないかと思い、少しぐぐってみるとありました。理路明確に景気対策としての減税効果として暫定税率撤廃を論じた方です。森永氏は、売れっ子の経済評論家ですが、この暫定税率廃止の論考についていえば、きわめて明快な正論だと思う。

第117回
絶好の景気対策暫定税率の廃止
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年1月28日
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/117/index.html

今後様々な場面で商品が値上げされていくことになるでしょうし、それに伴い消費者の買い控えも進むのではと思います。いや買い控え以前に買いたくても買えない状況が進むのではないかとさえ思う。ガソリン暫定税率復活がそうした状況を一歩も二歩も前進させる大いなる契機になりそうな予感がします。
あともう一つ気になることはガソリン価格が160円台に突入しそれ以上にも上がっていく気配となると、いくらなんでも新車販売台数とかはどんどん落ち込んでいくでしょう。根っこは原油価格の高騰ですが、これは世界的な傾向ですし、そうなると日本の基幹産業である自動車業界も徐々に業績悪化してくるのではないでしょうかね。自動車業界は国内市場ではやや低迷しているといいます。アメリカでの販売が好調なためまだまだ好況にあるとはここ数年にいわれていることです。しかし、原油価格高騰とそれに伴うガソリン代の断続的な値上げ状況は世界規模で行われています。それはもろに自動車産業にも影響してくるでしょう。今や世界規模でもビッグ3を抜いて頂点にあるともいうトヨタでさえ減益みたいなことも考えられるかもしれません。
なんかお先真っ暗な情勢のような気もします。政治家は、役人はそういうことを見据えたうえで今度の暫定税率復活行ったのでしょうか。ただ既得権益としての特定道路財源を保守しようというだけなのではないかと、そんな気がします。
もし将来のことを考えて特定財源から一般財源へという流れの中で、今回のもろもろを説明するのであれば、将来の社会保障の財源確保のためにやるべきことの大前提として行財政改革の徹底化がきちんと論じられるべきでしょう。道路特定財源が安直に国交省の人件費や福利厚生費に転用されたりしている現実では、どんなに将来への警鐘を鳴らしても説得力がないということ、まあそういうことです。