後期高齢者医療制度

いろいろと話題になっていますね。お年寄りの年金からの天引きが特に取り上げられることが多いわけだが、これはたぶんに介護保険の徴収制度を踏襲したんだろう。だけど働いている人の給与からの天引きと老人の年金からの天引きでは性格が違うのではないかと思う部分もあるな。しかし厚労省介護保険制度でいろんな意味で味をしめたんだろうな〜。
しかしいきなりこの制度がクローズアップされてきているけれど、それじゃ国会で審議とかされている時にみなさんどうしていたのだろうなどと思うわけだ。まず制度自体がほとんど理解できていないのでとりあえずウィキペディアで軽くおさらいをしてみる。
後期高齢者医療制度
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BE%8C%E6%9C%9F%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%88%B6%E5%BA%A6

ふ〜ん。でもって、

国の医療制度改革の一環として「健康保険法等の一部を改正する法律」(平成18年6月21日公布)により従来の老人保健法の題名を「高齢者の医療の確保に関する法律」とし、その内容を全面改正する中で後期高齢者医療制度を規定している。

平成18年だから2年前2006年のことだ。ぐぐってみると、自民党公明党の与党多数派の強行採決で決まったという。
医療改革法案、委員会の強行採決を経て衆院可決
http://ja.wikinews.org/wiki/%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%94%B9%E9%9D%A9%E6%B3%95%E6%A1%88%E3%80%81%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E3%81%AE%E5%BC%B7%E8%A1%8C%E6%8E%A1%E6%B1%BA%E3%82%92%E7%B5%8C%E3%81%A6%E8%A1%86%E9%99%A2%E5%8F%AF%E6%B1%BA
この164回通常国会の時の内閣は小泉内閣だ。前年の郵政解散総選挙で圧倒的な勝利を得た小泉政権が好き勝手に始めた痛みだらけの構造改革路線の一つだったんだね。だから雰囲気でさ〜、小泉自民党に投票した皆さん、自業自得なわけだよな。たぶん今、年金天引きでお怒り召されているお年寄りの皆さんもたいていは自民党を支持されていたんだろうし、例の郵政解散総選挙では郵政民営化こそ構造改革、聖域なきなんとかみたいなことにふんふん納得して自民党に投票したんだろうなどとも思うわけだ。
しかし小泉政権の産物みたいなこととなると、この問題でたたかれている現首相福田さんも、すこしばかり同情したくなってしまうね。もちろん同情しないけど。
今後の政局の変動によっては、小泉元総理を中心にした政界再編もありえるみたいな話もあるけど、これでまた小泉カムバックみたいなことになったら笑えるな。小泉さん、雰囲気だけで中身あんまりないし、構造改革とかいって財界の利益、アメリカの利益中心だったようにも思う。そのうえ官僚の利権構造はけっこう温存されたままだったようにも思う。しいていえば自民党の支持基盤だった農村へのあるいは公共事業による地方への金のバラマキをやめただけだけなんだろう。それだけでも小泉さんは評価されてしまう部分あるようだけど、このバラマキは実は中央と地方の格差を調整する機能も果たしていた部分もあるにはあったわけで。まあ一長一短的だったと思う部分もあるのだ。
いずれにし圧倒的な国民的人気を基盤にしていた小泉政権について、そろそろその功罪、もっぱらその罪についてきちんと総括しなくてはいけないのではないかと思う。個人的には小泉政権はかなりシビアな緊縮財政を行ったんだろうと思う。まあ財政状況が悪化の一途にあった時に登場したのだから、現実の要請ともいえたのだとは思う。でも、歴史的にみても緊縮財政が成功するためには必ず行わなくてはならない政策がある。それは行財政改革なんだけど、それがきちんと行われないまま痛みのみを国民に押し付けたんではないかというのが漠然と思っていること。行政、官僚組織のムダ、利権構造はけっこう温存されたままだったんだしね。