圏央道あきる野〜八王子開通

最近パソコンの調子が悪くてあかんよ。普通に立ち上げて、ワープロだのエクセルだのやっているとしだいにウィ〜ン、ウィーンって異音がしだしてだんだんと重く、重くなってくる。ネット繋げててそう。さらにiTunesなんかで音楽聴きながらやっているとさらにてきめんで遅くなる。いよいよ死につつあるのだろうかこのO'ZZIO。買って4年程度でこれだもんな。
というわけで本題である。圏央道あきる野〜八王子間が6月23日に開通した。
http://www.kenodo.net/
中央道の山肌にというか崖っぷちで工事やっているのを何度も見ているし、いつ頃繋がるのかなとは思っていた。繋がれば便利になるだろうねなどとも話していた。ようやく繋がりましたということで、とりあえず乗ってみました。ネットでも通行料金の高さが話題になっていたので、普段利用している三芳スマートICからではなく、入間までは下道使ってみましたが、乗ってみると快適、快適。
うちは墓が相模原の山奥(実質的には津久井のほうか)にあるのだけど、埼玉越してきてからというもの行くのがけっこう億劫になっていました。16号を行くか、あきる野から高尾に出てみたいな行きかたとかいろいろ試してみたけれど、土日となるとあちこちで渋滞があり、だいたい片道3時間近くかかる。
今回、圏央道と中央道が直結したわけで、入間から圏央道に入って中央道相模湖で降りてから墓までいってみたのだけどジャスト1時間半くらいだった。まあ半分になったわけで、これはとても便利なことこのうえない。ご先祖というか、墓に入っているのは父親と祖母なんだが、ずっと不義理してきたからこれからはまめに墓参りしようかなとも思った。
墓参りついでに宮ケ瀬の方に足を延ばしたのだが、ここも久しぶりに来てみるとずいぶんと変わっていた。いぜんきた時はダムの建設が終わったくらいだったからもう5年以上前のことだったんだけど、いまや堂々とした湖ができていて周辺も広大な公園が整備されている。
http://www.aikawa-kankoukyoukai.jp/miyagasedamu.html
http://www.miyagase.or.jp/
着いたのが夕方だったから、人もまばらだったけどずいぶんと開放感のある公園ができていてびっくりした。長いつり橋を渡ったりして娘は喜んでいた。この日はほとんど衝動的に来てしまったので、車椅子とかももってこなかったので、妻も歩いてつり橋を渡った。けっこう長い距離の往復で大変そうだったが、なんとか頑張って渡りきった。妻はつり橋の往復、私と娘はつり橋の下にひろがる公園をとことこ歩いた。
宮ケ瀬の周辺一つ見ても神奈川はいろいろと金かけて公園整備とかしているんだな〜となんとなく思った。元神奈川県民としては羨ましい限り。埼玉は空き地はいっぱいありそうなのに、整備された公園っていうとけっこう限られていないか、などとちょっと「隣の芝生」みたいな気分にもなる。まあ、埼玉には埼玉の良さもあり、まだ行っていない公園とかだっていくらでもあるだろうにとは思うけど。
宮ケ瀬に来てみるといつも思い出すことがある。このへんは40年近く前だけど、父親と二人で自転車で来たところだ。当時住んでいた横浜からは片道直線で50キロくらいだったか。私は買ってもらったばかりのサイクリング車、父親は普通のママチャリだった。よくこんなあたりまで来たもんだとは思う。津久井周辺に着てからはずっと続くじゃりの坂道を数キロ自転車押し続けたことを今でもよく思い出す。
中津川の渓谷で川遊びをしたこと。川向こうの岸辺に蛇がいたことなどを、けっこう鮮明に覚えている。父は息子と行ったこのサイクリングのことを会社の同僚に話したら、相手から「息子さん、競輪の選手にでもするきかい」と言われたということを面白おかしく話していた。今思ってもけっこうハードなサイクリングだったのではと思うが、しんどかったという記憶がない。翌日の筋肉痛とかの思い出もない。たぶん小学校の6年生くらいのことだから、そういうのとは無縁のことなのかもしれん。とはいえ父親はその当時すでに四十代半ばになっていたはずだ。よくもまあママチャリでと思う。けっこう足腰痛くしていたんじゃないかなとも想像する。
父とは中津川周辺、津久井から相模湖のあたりは何度も一緒に遊びにきた。父の晩年にも数回この辺をドライブした。父と最後にドライブしたのは相模原の水郷田名のあたりだった。9月半場ふらりと二人でこの辺りへ来て、相模川の川原をぶらついた。何を話したのかの記憶もさだかではないけど、川原に座って二人で川向こうの山間に沈む夕日を見ていた。
そのほぼ一ヵ月後に父はクモ膜下出血で倒れて急逝した。倒れて二日後に一度も意識が戻ることもなくあっけなく逝った。63歳だった。葬儀やらなんやらでばたばたしているなかで、葬儀屋に勧められるままに購入した墓は、偶然にもあの日父と一緒に見つめた夕日が落ちる山の裏側にあった。墓へ行ってみてそのことを兄に話した。「こういうことってあるんだな」。偶然とはいえ、父は自分の死期や自分の眠る場所への予感とかもあったのかもしれないなどとつい想像してしまう。父の墓碑を何気に見ると昭和63年10月とあった。そう、すでに父が他界してすでに20年以上の月日が経過しているわけだ。
圏央道〜中央道の直結からずいぶんと遠い話になってしまった。圏央道はさらに南進して東名道とも2012年くらいには繋がるという。埼玉と神奈川〜横浜がより近くなるわけだ。まだ本籍を残している横浜へのアクセスが楽になるのはうれしい限りではある。
とはいえこの道路の道のりはまだまだ遠いのだろうなと想像する部分もある。中央道への直結だってずいぶんと予定より遅れたという話も聞いている。高尾山の周辺をトンネル掘って繋げたこの道路には、環境破壊ということで随分と反対運動もあったという。裁判はいちおう行政勝訴ということらしいがまだ係争中のようだ。反対運動には以下のような公式サイトもある。
http://homepage3.nifty.com/takaosan-tengusaiban/about.html
なんていうのだろう、気持ちはわかる。でも、モータリゼーション、文明の利便性に慣れ、それを享受している立場としては、やっぱりこの手の反対運動には素直にうなずけない。首都圏近郊で自然や環境保護を求めても、そのために渋滞やらなんやらの不便性が改善されない、あるいは自然保護のために不便性を受け入れなさいというのはどんなものなんだろう。
近隣住民にとってもこの道路の開通でさまざまアクセスが容易になって便利を思う人もいるだろう。環境保護とかっていうとかえって地域の発展には足枷になる部分もあるだろうし、まして高尾山周辺なんていうのはもうりっぱな首都圏通勤圏内、住宅地なんじゃないのかなとも思う。難しいな、やっぱり。
それはそれとして、問題は高速料金の問題だ。中央道と関越道の連結はいいのだが、料金がべらぼうに高い。今回、入間から相模湖東で料金は1450円。いつものように三芳スマートICを利用して八王子までだとなんと2500円にもなる。このへんがこの道路のネックだな。料金で工事費を回収するという名目でかなり割高な料金に設定している。しかも中央道と関越道の連結の利便性を想定すれば利用はそこそこ見込めるだろうというトラタヌ的な発想が見栄見栄である。建設省道路公団の姑息な魂胆である。
このべらぼうに高い高速料金には地元からも非難の声があがっているのだとか。

圏央道開通記念行事 八王子市長ら欠席 『通行料金高い』国に抗議(6月18日東京新聞
http://72.14.235.104/search?q=cache:YZAfDekvp1oJ:www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007061802025026.html+%E5%9C%8F%E5%A4%AE%E9%81%93+%E5%85%AB%E7%8E%8B%E5%AD%90+%E9%96%8B%E9%80%9A&hl=ja&ct=clnk&cd=7&gl=jp

それにしても目と鼻の先のごとく近距離のあきる野〜八王子間で800円、青梅〜八王子で1250円はあんまりだとは思う。これで利用が進まないと段階的に値下げを行っていくということなんだろう。これもあちこちの新設高速道路で実証済みのこと。だいたいね、料金徴収で建設費をまかなうって発想が端手から無理なんだとは思う。結局うまく償還できたのって、東名とか中央くらいなんじゃないのかな。それでも償還過ぎても他の道路の分を賄うドル箱だから無料になるっていうことはないわけ。
便利になっても利便性を高らかに謳いあげることができないのが日本の道路行政なんじゃないのかなとも思う。それはそれとしてこの道路の直結の専用サイトのイメージキャラクター、優香だっけ。なんかぱっとしないね。